いまこそ『正しい手洗い』再確認 泡立ちは洗浄力の目安! “付け根や間”もしっかり洗って食中毒予防
こわい感染症は新型コロナウイルスだけではありません。インフルエンザのほか、最近ではマイコプラズマ肺炎など、感染症の脅威は私たちに忍び寄っています。さらに、いまの季節はノロウイルスをはじめとした食中毒などの予防も大切なのだそう。「コープこうべ商品検査センター」の担当者に詳しく話を聞きました。 【写真】意外とできてない!? 「正しい手の洗い方」を詳しく解説 ――いまの時期、インフルエンザの備えが大切です。特に、手洗いの推奨はパッと想像できます。一方でこれからの時期、ノロウイルスによる食中毒にも注意が必要だそうですね。食中毒と聞くと、「◯◯を食べたら症状が出た」というように食べ物が原因のイメージが強いですが……。 【担当者】 確かに、ノロウイルス食中毒は飲食店を原因とした報告が多いので、そう感じます。ですが、ノロウイルスは人の腸で増えていくウイルスのため、実際には人から人、つまりトイレのあとなどに手に付着したウイルスを介して広まることがあります。 ――だからこそ、手洗いによる予防が必要ということですね。 【担当者】 そうですね。食中毒予防の三原則として、「細菌をつけない」「細菌を増やさない」「細菌をやっつける」があります。 正しい手洗いは、これら三原則の「細菌をつけない」にあたり、何よりも食中毒予防の第1歩です。そこで今回は、水で手を流すところからアルコールで消毒するまで、“正しい手洗いの手順”をご紹介します。 ――普段、何気なく手を洗っている人が多いと思いますが、改めて“正しい手の洗い方”を意識したいですね。 【担当者】 まず、手を水でさっと流します。「水で流す」ことは、手の表面についた汚れを落とすのはもちろん、手に水気があることで、石けんや洗浄剤の泡立ちをよくする効果があります。 ――乾いた手で石けんや洗浄剤に手を伸ばすのはよくないんですね。 【担当者】 泡立ちは洗浄力の目安になりますので、よく泡立てるためにも、まずは水で手を流してください。 次に洗浄剤を手にとるわけですが、やはり、水だけよりも石けんがあることで手に残るウイルスの量は大きく減ります。ポンプタイプのものは1プッシュが目安ですが、泡立ちが悪いときや手に汚れがあるときは泡立ちにくいので、必要に応じて足してください。泡立たせることがポイントです。 ――石けんそのものの量よりも、泡立ちの量で考えたほうがよさそうですね。 【担当者】 そのあと、30秒を目安に手洗いを行います。まずは、1番洗いやすい「手のひら」「指の腹面」をよく洗います。手には細かなシワがあるため、シワに残っている微生物をかきだすイメージで、やや力を入れてこすりあわせるとよりよいです。 次に、手を裏返して「手の甲」「指の背」を洗いますが、このときもシワ部分をイメージしてこすりあわせることが大切です。ただ、小指の側面は、すり合わせただけでは洗えない部分がでてきますので、意識して洗うことが大切ですね。 ――確かに、小指の側面は意識しにくいかもしれません。 【担当者】次のポイントが「指の間・付け根」で、ここは洗い残しがよくできる場所です。 ――指の間や付け根まで、なかなか意識しないと洗えないですよね。 【担当者】 そうなんですよね。指の付け根は特に洗いづらく洗い残しが起こる場所なので、親指はハンドルを握るようにしてしっかりと洗うことが大切です。このとき、親指の根本のふくらみも忘れず洗ってください。ふくらみ部分は、トイレでお尻を拭くときにトイレットペーパーがない部分になりやすく、汚れがつく可能性が高い要注意ポイントなので意識してください。 ――自分がトイレットペーパーをどう使うのかも意識したほうがよさそうですね。手がきれいになってきたので、次は指先や爪ですね。 【担当者】「指先」「爪」もしっかりと意識して洗ってください。まずは、指先で手のひらのシワの汚れを落とすイメージでこするとよいです。このとき、爪が伸びていると爪の間に汚れが残りやすいため、爪は短いほうが洗いやすいです。 爪の根元の甘皮(あまかわ)やキューティクルと呼ばれる部分は、意識しておかないと洗い残しが多い部分です。 いよいよ最後は、手首です。時計やアクセサリーがあるためどうしても洗いづらいですが、手首をしっかりと回しながら洗います。 ――そして、「水で流す」ですね。 【担当者】 手をしっかりと洗うということは、泡立てた石けんに汚れや微生物がいっぱいいるということです。洗ったあとは、しっかりと水で流す。この「すすぎ」が十分でないと、せっかく洗ったのに汚れや微生物が手に残ってしまいますから、しっかりと流しましょう。 これからの時期は、水が冷たくてしっかりと水洗いすることがつらいため、温水を使うこともしっかりとすすぐための1つの方法です。 流し終わったあとは、水気をしっかりと拭くことが重要です。水気を取ることで、手に残った微生物をさらに減らすことができます。さらにもうひとつ重要なのが、このあとに行うアルコール消毒です。 ――新型コロナウイルスの対策でより広く認知されるようになりましたが、最近は徹底されていないかもしれませんね。 【担当者】 アルコールに弱い微生物は多く、特に、手の汚れを取りのぞいたあとのアルコール消毒は効果的です。しかし、手に水気が残っているとせっかくのアルコールが薄まってしまい、効果が薄れてしまいます。しっかりと乾かした状態で、アルコール消毒してください。 ――ご家庭にアルコール消毒薬がない場合はどうすればよいでしょうか? 【担当者】 その場合は、1度石けんで手を洗ってすすいだあとに、もう1度石けんをつけるところからはじめる「2回洗い」を推奨しています。 正しい手洗いの手順は、商品検査センターのホームページでも紹介していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。 ――正しい手洗いの順番と2回洗いで、しっかりと予防したいと思います。ありがとうございました。 ※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より
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