モスバーガーの隠し味 テリヤキ、ライスはこう生まれた モスフードサービス(上)
産地との連携で新鮮野菜を調達
野菜の強みはヘルシーさを感じてもらう上でも効果を発揮しているようだ。ナチュラル感を意識して、店舗の内装面ではウッディな雰囲気を強めてきた。看板は緑基調に変更。「『健康でおいしい』というイメージが浸透してきた」(濱崎氏) 産地との連携を深める取り組みは国内の外食業界では異例なほど積極的だ。本社スタッフや店舗従業員が産地を訪ね、生産者も店舗を訪れる。自前調達にも力を入れ、2006年以降、農業生産法人を各地で立ち上げている。 モスバーガーの50周年を記念した本『MOS Walker ウォーカームック』には顧客・ファンの声が集められている。支持する理由として目立つのは「心が安らぐ」「落ち着く」「癒やされる」といった声だ。サッと食べて短時間で店を出るというイメージの強いハンバーガー業界にあって、なぜモスバーガーには心地よさを感じる人が多いのか。後編ではそうした店舗ムードを育む一因ともなった、創業者が生み出した各店舗フランチャイジーとの絆や、多彩な新商品開発の裏側、進化を重ねるビジネス展開などを掘り下げる。