焚き火でも、野外料理でも!携帯性に優れたシルバンワークスの折りたたみ式マルチトングレビュー
自転車のペダルメーカーとして知られる三ヶ島製作所。同社が今年立ち上げた新ブランド「Sylvan Works(シルバンワークス)」から、キャンプで便利な製品が登場した。「GRIPPIN’ GATOR(グリッピンゲーター)」と名付けられたマルチトングの魅力とは? 【写真14枚】ブレードが薄いため、焚き火台の隅に入った小さな燃え残りもしっかりつかめる。ミニ焚き火台との相性も◎なマルチトング「グリッピンゲーター」を写真で見る
金属加工のスペシャリストが本気で作るアウトドアギア
1943年に航空機部品の製造からスタートした三ヶ島製作所(会社設立は1949年)。現在は、自転車用のオリジナルペダルを生産するメーカーとして世界的に知られている。埼玉県にある本社兼工場では、ペダルの生産のみならず、自動車部品などの製造も手掛ける。 アルミやステンレスの精密加工を得意とする同社が、今年、立ち上げた新ブランドが「Sylvan Works(シルバンワークス)」だ。自転車に乗ってアウトドアに繰り出すときに便利な、軽さや携帯性にこだわったキャンプギアや自転車用アクセサリーをリリースする。そして、同ブランド第三弾となる商品が、今回紹介する「GRIPPIN’ GATOR(グリッピンゲーター)」だ。 ◆コンパクトに収納できるから、徒歩や自転車、オートバイで行くキャンプでも活躍 この商品は、焚き火の必須アイテムである火バサミとしても、料理をつかむときにも使えるマルチトング。ブレード部分がスライド式になっていて、収納時には長さ164mmとコンパクトになる。重量98gと、ほどよく軽量。サイクリング用のバッグや、自力でソロキャンに出かけるときのザックに収納しても邪魔にならない携帯性の高さが魅力だ。 ◆勝手に開かないよう簡単操作でロックできるグリップ グリップ部分は、アルミ製。同社の鋳造技術をいかした精度の高い仕上がりだ。握ったときに手に馴染みやすく、重すぎず軽すぎない絶妙な重量感が、ギアとしての魅力を高めている。 グリップの先端を左右に少しずらすと、先端のロックが外れてV字型に開く。次に、ノブを緩めてから、ブレードをスライドする。再びノブを締めれば準備完了。使用時には、全長300mmになる。あとは薪でも食材でも必要に応じてつかむだけ。 ◆メイド・イン・ジャパンの精度を実感できるスムーズなノブの動き ノブを回すときに必要な力加減や、ブレードのスムーズなスライドなど、ここまでの一連の作業をすることで、この商品がいかに高い精度で製造されているかがわかる。 ◆細かいものもつかみやすいワニの歯のようなブレード ブレードは、ステンレス製。ユニークなのが歯形の付け方だ。先端から後方に向けて、歯が徐々に大きくなっている。グリップに近い粗い目の歯では、太めの薪をしっかりとつかめる。また、先端が薄く加工されているため、燃え残った炭や小枝なども不自由なくつかめるので便利。先端の薄さと形状が秀逸で、肉などもつかみやすい。このつかみやすさこそが、グリッピンゲーター最大の魅力である。 優れた携帯性に加えて、細かい物でもつかみやすいブレードを備えた、高品質のマルチトング。三ヶ島製作所では、万が一、パーツが壊れたり、なくしてしまった場合でも補修できるよう、すべてのパーツを補修品として用意している。「いいものを長く使う」。日本の物づくりを支えてきた同社のスピリットが、この製品にもこめられている。ちなみに同製品は、埼玉県にある自社工場で生産されている。日本の優れた技術による製品を長く愛着をもって使い続けたい。そんなアウトドアギア好きにはたまらない道具ではないだろうか? ◎商品情報 ・シルバンワークス/グリッピンゲーター 価格:8,800円 カラー:ブラック サイズ:幅18×高さ25×長さ165mm(収納時)、使用時の長さは300mm 重量:98g 素材:アルミニウム(グリップ)、ステンレス(ブレード) 製造元:三ヶ島製作所 私が書きました! フリーランスライター 山本修二 東京生まれ、名古屋在住。自転車好きライターとして本誌を中心に東京で活動し、2015年に名古屋へ移住。東海エリアの食とアウトドア環境を満喫中。肩の力を抜いてユルく自転車に乗りたい人のためにまとめた著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)、好評発売中。
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