【バイク・レビュー】ホンダ「スーパーカブ110」|長年愛され続けるのにはワケがある!
世界標準の働くバイクの優れた完成度を再確認
日本のみならず世界中で活躍しているスーパーカブ。その生誕は1958年と、実に66年前だ。クラッチレバー操作が不要な自動遠心クラッチやまたがりやすいローフレーム、エンジンまで覆うレッグシールドなど基本的な車体構成はその時点で完成。そして1960年代中ごろに馴染みあるデザインになり、排気量や装備によるバリエーションも増えていく。 【写真はこちら】「スーパーカブ110」の全体・各部・走行シーン 110ccモデルが生まれたのは2009年。時代に合わせてインジェクションを採用し、力強い走りに加え始動性や燃費性能も向上。その後もキャストホイールやチューブレスタイヤ、フロントディスクブレーキ&ABSを採用するなど進化してきた。同時にユーザー層も変化。今まではビジネスバイクの代表と言われてきたが、近年では扱いやすさや柔らかなデザインなどによってホビーユーザーが増えてきている。 またがるとハンドル位置が低くてライダーに近いためコンパクトに感じる。セルボタンを押すと静かにアイドリングをはじめ、アクセル操作に対する反応もスムーズ。シフトペダルを踏み込みスタート。110ccのエンジンはストレスなく吹け上がっていく。トルク感もあり交通量が多い道路でも先行していけるパフォーマンスはある。 サスペンションは柔らかめで、優しくギャップをクリア。シートも柔らかく乗り心地は良好だ。前後17インチホイールによるハンドリングもニュートラルで、リラックスした気分でコーナーを抜けることができる。トルクバンドが広いためギアチェンジも神経質にならずにすみ、クルージングも快適。スーパーカブをツーリングに使う人の気持がわかる。さらに幅広い用途に使うことができるバイクに進化していると感じた。
横田和彦