今でも胸が苦しく、つらい 神戸児童殺傷27年で父手記
1997年の神戸の連続児童殺傷事件で、小学4年の山下彩花さん=当時(10)=が亡くなってから23日で27年となるのに合わせ、父賢治さん(75)が手記を寄せた。「彩花が旅立って27年目を迎えるが今でも胸が苦しくなる。つらくて寂しい、それだけです」と心境をつづった。 彩花さんは97年3月16日、神戸市須磨区の路上で頭を金づちで殴られ、1週間後の23日に死亡。事件では当時14歳だった男性が逮捕された。その後男性から手紙が届いていたが、2015年に男性が遺族らに無断で手記「絶歌」を出版したことを機に賢治さんは手紙を全て破棄。18年以降、男性から手紙は届いていない。 手記では「子どもにわびる心が無くなったのか。償う心を失ってしまったのか。あなたは被害者家族に何をしなければならないか考えてください」とし「犯した罪は彼自身の心に確実に刻み込まれている。心ある人間ならば、いつか心によって裁かれる日がくるのではないか」と記した。
賢治さんは取材に「彼からの手紙が途絶え、今どこで何をしているのかも分からない。罪に向き合うということは、被害者家族に手紙を書き続けること、それしかないのでは」と話した。