【富士S】遅れてきた新星ジュンブロッサムが重賞初V 戸崎圭太「最後の脚がすごいのは分かっていた」
[GⅡ富士ステークス=2024年10月19日(土曜)3歳上、東京競馬場・芝1600メートル] 19日の東京11R・GⅡ富士ステークス(芝1600メートル)は、戸崎圭騎乗で4番人気のジュンブロッサム(牡5・友道)が中団追走から直線で鋭く伸びて差し切り。うれしい重賞初勝利を飾った。勝ち時計は1分32秒1(良)。 外めの16番枠から好発を決めると、鞍上の戸崎は馬のリズムを崩さないように手綱を押さえる感じで中団馬群の外めを確保。「ゲートが課題だと思っていましたが、うまく出てくれてイメージ通りに進められました」と振り返るように、前半のスムーズさが大きな勝因のひとつであろう。直線は一完歩ずつ滑らかに、かつ力強い伸び脚で前の馬をかわして突き進み、一昨年の2着馬でマイル重賞3勝のソウルラッシュを1馬身差抑え込んでのフィニッシュだった。 「前走(GⅢ関屋記念3着)もそうだったように最後の脚がすごいのは分かっていたので、馬を信じて乗りました。いいリズムで、手応え良く運べさえすれば脚を使えると。フットワークの柔らかみが良くなったと返し馬で感じたし、本来の走りができたんだと思います」と振り返った戸崎圭。この勝利でGⅠマイルCS(11月17日=京都芝外1600メートル)の優先出走権を獲得し、「楽しみです」と期待を膨らませた。 友道調教師は「雨予報を心配したけど、もってくれたし、前走のようにゲートで立ち遅れずいい位置で走れましたからね。しまいはしっかりしているので、位置取りだけだとジョッキーとも話をしていました」と勝因を分析しつつ、「前走よりも動きがしっかりして、調教を見ているだけで具合がいいのが伝わってきていた」と仕上がりにも胸を張った。 デビュー2戦目の未勝利戦ではローシャムパークを撃破して当時の2歳レコードでV。早くから将来を嘱望されたが、前走の関屋記念を含めて重賞は4、4、4、3着とあと一歩届かず、2勝クラス卒業に7戦、3勝クラスにも2戦を要した。そんな回り道をしても素質が花開き、父ワールドエースに初のJRA重賞タイトルをもたらした充実ぶりは目を引く。遅れてきた新星が、一気に秋のマイル王の座を奪うシーンもありそうだ。
東スポ競馬編集部