「103万円の壁」引き上げで広島市は300億円減収と試算 引き上げ額はどう決める?【テレビ派・長島カイセツ】
広島テレビの長島清隆解説委員が、注目のニュースを分かりやすく分析・説明する『長島カイセツ』です。総選挙でも注目され、今大きな議論となっている「103万円の壁」についてお伝えします。 【動画】「103万円の壁」引き上げで広島市は300億円減収と試算 引き上げ額はどう決める?
「103万円の壁」引き上げにより、広島市は税収が300億円減るという試算を明らかにしました。引き上げ額の根拠には「最低賃金上昇率」や「物価上昇率」など、さまざまな手法があり、国がどのようなに議論を進めるか注目されます。
先日、「103万円の壁」を引き上げることが正式に決まりました。しかし、引き上げの額や、その税収が減った分をどのように穴埋めするかについては、これからとなります。 ■国民民主党 玉木代表(「10月14日放送 news zero」) 「103万円の壁を上げないと、いくら最低賃金あがっても、上限があって稼げないから、我々178万円まで無税で働けるようにするので、もっと稼いでください。」
国民民主党は「103万円の壁」の引き上げを掲げ、総選挙で大躍進し、与党に主張を飲ませた形です。 ■自民党 小野寺政調会長 「いわゆる103万円の壁については、令和7年度税制改正の中で議論し、引き上げる。」
「103万円の壁」について説明します。所得税には控除があり、会社員の場合は、経費に相当する給与所得控除(最低55万円)と、基礎控除48万円を合わせて、103万円となります。所得税は、103万円を超えた部分に関して、課税されることになります。
これに対して国民民主党の案は、103万円に75万円プラスして、178万円にするというものです。そうすると、税金がかかる部分が少なくなり、その分手取りが増えることになります。
控除合計を国民民主党の案の178万にまで引き上げた場合、減税額は年収別でどのくらいになるかという大和総研の試算では、年収200万円の場合、減税額が8万2千円となり、その分の手取りが増えることになります。減税額は年収が増えるほど大きくなり、年収800万円の場合、22万8000円の減税となります。つまり、高所得になればなるほど、減税額が大きくなります。