嫌な目にあったらどうすればいい?そんなときは「セルフ労災制度」を使って得をしよう
【シチュエーション】 いつも理不尽なクレームをつけるお客様がいる。これから、その人に応対しなければならない。 マーケティング脳がない人: どこか逃げ腰のまま嫌々ながら話を聞く。 マーケティング脳がある人:「この人の別の面を見てみよう」と素直に話を聞く。
どんなに極悪人でも、良い面があるかもしれない
手塚治虫の『火の鳥』という作品を知っていますか? 『火の鳥・鳳凰編』の主人公の1人である我王は、生まれてすぐに右目と左腕を失いました。そのことで迫害を受け、盗賊として悪行のかぎりを尽くしていましたが、やがて改心し仏師として生きるようになります。私が着目したエピソードは、我王の二面性を表したお話です。 我王が盗賊だったころ、川に落ちたてんとう虫を助けるエピソードがあります。人を殺すこともいとわない我王が、たった1匹の虫の命を救った──我王のような極悪人にもやさしい一面があったわけです。このように、人にはさまざまな顔があり、会社や家庭、友人関係といったシチュエーションや、その人の精神的な状況によって、見せる顔が変わるのです。 特に、この作品を読んで私は「人は多面体である」ことを意識するようになりました。私が携帯電話ショップで働いていたときの話です。頻繁にクレームをつけにお店にやってくるお客様で中年の男性がいました。「水に浸けたら壊れたぞ!」と理不尽なことを言ってくるのです。そんなお客様に何度も応対するのは正直にいうと苦痛でしかたがありませんでした。 あるとき「人は多面体である」ことを思い出し、「このお客様にも良い面があるかもしれない」と考えてみることにしました。すると、クレームを聞くのがそれほど苦痛ではなくなったのです。それまでは、そのお客様と接するのはどこか逃げ腰だったのですが、素直に話を聞くことができました。実はその携帯電話はその方の娘さんのものだったそうです。 店員である私たちからしたら困った人ですが、娘さんには自分を守ろうとしてくれる「頼もしい父親」だったかもしれません。こんなふうに「人は多面体である」ことを意識すると、心に余裕ができて、仕事や生活がうまくいくことがあるのです。
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