【インタビュー】巨人・秋広優人 55番の重みを背に「1打席も無駄にしてはいけないという思いはずっとある」
大きかった1打席目
巨人・秋広優人
ライバルの阪神を追い上げ、セ・リーグを盛り上げるには、この若武者のさらなる爆発が欠かせない。ルーキーイヤーから注目を集め、55番を受け継ぎ、高卒3年目で覚醒の時を迎えた「大物」が逆転Vを狙うチームの上昇ムードを加速させていく。 取材・構成=杉浦多夢 写真=斎藤豊、BBM ※成績・情報は6月18日現在 大器がついに花開こうとしている。高卒3年目にしてクリーンアップに名を連ねる身長2メートルのまさに「大物」。ビッグネームが居並びはするものの、フレッシュさに欠けていた重量打線に新風を吹き込んでいる。高卒1年目で一軍デビューを飾ったが、昨季は最後まで一軍から声が掛かることなく、悔しさを味わった。それでも二軍戦でチームトップの109試合出場、打率.275、9本塁打としっかり牙を研ぎ、二軍スタートとなった今季も打率.341と爆発。4月22日のヤクルト戦(神宮)で初スタメン初安打をマークし、4月29日の広島戦(東京ドーム)では初本塁打。一気にレギュラーの座を確固たるものにした。 ──高卒3年目の今季、一軍でスタメンの座をつかんでいますが、ここまでを振り返っていかがでしょうか。 秋広 目標にしていた初安打、初本塁打というところも達成できましたし、多くのチャンスをいただいているので、すごくいいスタートというか、いいシーズンになっているかなと思います。昨年のシーズンは一度も一軍に上がることができなかったので、オフやキャンプのときから今年はどうしても一軍で、という気持ちでやってきたので、開幕前にファームに落ちてしまいましたが、ずっとその目標を持ちながらやっていました。 ──目標を達成したことで、気持ちに変化はありましたか。 秋広 達成できたことは大きかったですけど、たくさんいただいているチャンスをひとつも無駄にできないという思いは、最初から持っていましたし、今もそうです。これからもずっとそういう思いでやっていきたいなと思います。 ──昨年までと今季の打撃で、一番の変化はどういったところに感じているのでしょうか。 秋広 キャンプのときは形というか、フォームを気にし過ぎてしまっていて、相手のピッチャーに対して対応することができていませんでした。ファームに落ちて、二岡(二岡智宏)監督から「もう少しシンプルな形にして、打ち方はあまり気にせず、しっかりピッチャーが投げてくるボールに対応していこう」というアドバイスをしてもらってからは、気が楽になったというか。待ち方や構えもシンプルにして、しっかりピッチャーに対してやっていくことができるようになりました。それが要因かは分からないですけど、自分としてはすごく大きいのかなと思っています。 ──フォームで意識し過ぎてしまっていた部分というのは、具体的にどんなところだったのですか。 秋広 オフや翔(中田翔)さんとの自主トレで・・・
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週刊ベースボール