【初代指揮官が語る】DeNA初代監督・中畑清 日本一に見た喜び
環境が強さを生む
DeNAの日本一が決まった第6戦、横浜スタジアムでの始球式は万感の思いだった
【DeNA日本一 あなたがいたから】 12年前に初代監督による「よろしくお願いします!!」の一声から始まった頂点への大航海。満員となったスタンドに後押しされ、ついにチャンピオンフラッグを手にした。最も苦しかった黎明期を支えた元指揮官の目には、愛弟子たちの成長と奮闘が焼き付いている。 取材・構成=武石来人、写真=高原由佳、BBM DeNA初の日本一に沸いた11月3日。始球式を務めたのは、物語の船出を飾った「絶好調男」だった。自らの見てきた選手たちの活躍に、目を細める中で訪れた歓喜の瞬間。すべてを知るからこそ感じた成長があった。 日本シリーズ制覇おめでとう! まず言わせてほしいことがあるんだよ。日本一を決める試合での始球式をやらせてもらったわけだけど、マウンドから見たスタンドを見て万感の思いでした。この年で“キヨシコール”を聞けるなんてさ。何をやっても拍手喝采で迎えてもらえるというファンの温かさ、最高だよ。いまだに「キヨシに感謝してる」とかそんな言葉を聞いたらさ、涙がちょちょ切れますよ。だから日本一という結果は、この上ない感動だった。始まりを見ていたからこそ、「よくぞあのチームが」と思えば思うほどにね。 今回の日本シリーズは、選手たちが本当に頑張った! これは間違いない。あとはオーナーの南場(智子)さんをはじめ、球団が続けてきた方針も大きかったな。近代野球を取り入れ、ファンが後押ししてくれる環境をつくった先に、みんなで日本一へと勝ち上がれるパワーをつくり上げたわけだから。それが日本一の本質的な要因じゃないのかなと思うよ。 環境がなければ、やっぱり結果はついてこない。特にファンが優勝できるという気運やムードをつくり上げてくれたこと。これが本当に大きかった。プロ野球選手というのは・・・
本文:3,696文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール