阪神・佐藤輝 3番歓迎「本当にプラス」 藤川監督の指名に“鋼ボディー”で応える
阪神・佐藤輝明内野手(25)が7日、甲子園球場に隣接する室内練習場で自主トレを公開した。前日6日に藤川球児監督(44)が披露した3番構想に「本当にプラス」と力強く呼応し、(1)シーズン打席数増(2)リズムがつかみやすくなる――という2大メリットによる成績向上を見据えた。今季目標の一つである30本塁打達成のため“鋼ボディー”も着々と構築中。スケールアップした「3番・佐藤輝」が、2023年に記録したキャリアハイの24本塁打、92打点の更新を目指す。 【写真あり】藤浪晋太郎 阪神選手らとのプライベートショットに「すげ~メンバー」 肌寒い甲子園の室内練習場で、佐藤輝はバットを握った。図らずもグリップに25年の干支である巳年を連想させる薄緑のテープを巻いた“相棒”を、力いっぱい振り回した。キャッチボール、ティー打撃など約3時間、汗を流した後には、前日6日に藤川監督が披露した「3番構想」に、力強く呼応もした。 「本当にプラスに捉えて。(上位打線で)使ってくれればいいなという思いはありました。ずっと、そこ(3番)を任せてもらえるように頑張りたい」 3番はクリーンアップでは最も経験の少ない打順。だが背番号8はすでにメリットを見いだしている。それは大きく分けて2点だ。 (1)シーズン打席数増 「今まで以上に打席は回ってくるのでいい結果を出さないと。そう(本塁打増も見込める)っすね」。直近の24年シーズンで比較すると、チームの先発3番打者は計606打席で、主戦場とした先発5番打者の584打席より22打席多かった。長打力を武器とする背番号8にとっては当然、機会が増えれば増えるほど本塁打増の可能性が高まり、目標に掲げる「30本塁打」も視界に入る。 (2)リズムをつかみやすい 「そういう(初回に必ず打席が回ってくる)意味では、リズムというか。(最も経験の多い)5番は回ってくるか分からない。そこはプラスに捉えていい」。5番の時のように2死無走者から守備の準備をし始めた途端に、味方が好機をつくって慌てて打席へ…などというケースは、初回に限ってはなくなる。それが一層の集中力と心の余裕につながる。 指揮官の期待に応えるための土台づくりも着々と進行中だ。今オフもウエートトレーニングに励み、すでに昨季公称体重96キロから増量。「100キロ目前。筋肉、増えてます」と胸を張った。筋肉量に関しては「個人情報なので(笑い)。言えない」とぼかすも、間違いなくスケールアップは果たしている。あとはその力をバットとボールに伝えるのみだ。 「(目を向けたい成績は)全部。一皮、二皮むけられるように頑張ります」と巳年にちなんだ決意も力強い。2大メリットを追い風に、目指すはキャリアハイ。猛虎史上最強の3番襲名も見据え、背番号8が5年目シーズンに向かう。 (石崎 祥平) ≪昨季阪神は3番606打席≫ ○…野球は原則27アウト(3アウト×9イニング)に達した時点で試合終了となるため、打順が早いほうがシーズンの打席数は多くなる。先発打者だけの数字で見ても、昨季の阪神では1番657、2番631、3番606と減っていき、8番は507で1番と150打席の差があった。ちなみに途中出場選手の打席数は合計404で、下位打線での選手交代が多いことを考慮しても、その差は歴然としている。 ≪お手本はド軍フリーマン!?≫ ○…佐藤輝の3番のお手本はフリーマン!?開幕直前の今年3月16日に行われる予定のドジャース戦(東京ドーム)では、昨季3番打者として4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇に貢献したフリーマンと対戦する機会に恵まれる。同じ左打ちで、かねて打撃フォームを参考にしてきた経緯もある世界一の3番打者を間近で見られるとあって「めっちゃ楽しみっすね。そんな機会ないので頑張ります。どういったバッティングをするのかとか、しっかり見たい」と目を輝かせた。