「二度手間すぎ…」結局、いるの?いらないの?専門家に聞く「電子帳簿保存法」での《ハンコ》の現在地
何の意味があるのか全く理解できない…
改正版「電子帳簿保存法」により、’24年1月から完全義務化となった「電子取引・電子データ保存」。 【アホらしい!】「お辞儀ハンコ」ってなに!? だから日本は生産性が低いって… そこでよくわからないのが「押印」の問題だ。 専門家は電子的に作成した請求書に押印は不要と言うが、ほとんどの会社では「押印が必須」になっている。紙に落とすことができないため、電子印鑑というならまだわかるが、エクセルの“図形”の○の中に文字を入力したものでもOK……。そこに何の意味があるのか全く理解できない。 河野太郎氏の「行政手続きの押印廃止」宣言から4年、脱ハンコの流れは一般企業でも定着しつつあるのだろうか。ハンコの現在地を、税理士の岡田俊明氏に聞いた。 ◆「二度手間すぎてクソクソのクソ」 経理業務の電子化によって、仕事の負荷はどれほど軽減されたのか。現場のハンコ事情をXから拾ってみたところ……。 《全部が全部電子データになるならいいんだけど、電子データで保存しつつ、紙にも印刷してハンコ押して経理に渡すとか、二度手間すぎてクソクソのクソ》 《これはガチですが「事務職で紙・ハンコ文化がなくなることは一生ない」に1億円かけます》 《脱ハンコとか言ってるクセに、インボイス制度開始でTから始まる登録番号スタンプが爆売れした日本。本当に素晴らしい国》 《捺印お願いした書類にハンコついてくれるのはありがたいけど、モノクロスキャンで送ってくる若人が多くて社畜はアタマ抱えてます》 などなど、ひと言で言うと大・混・乱! 「そのご苦労、お察しいたします」としか言いようがない状況だ……。 ◆役所はとっくの昔に「ハンコ・レス」! 「そもそも論ですが、ハンコ廃止の議論が起こるのは間違いなく『デジタル社会を作っていくうえで邪魔』だから。 例えば税金で言うと、申告書を作成する際に押印するのは法律で決められていたわけで、’20年の河野太郎氏の『行政手続きの押印廃止』発言は、それを否定するという大掛かりな話だったわけです。 つまり政府はデジタル化のために、良い悪い関係なく押印廃止の方向に強硬に動いたということです」(岡田俊明氏/以下同) 河野発言に端を発し、今や行政手続きの99パーセントは押印不要となった。 某市役所に勤める筆者知人に話を聞いたところ、「今ごろハンコの話? 役所じゃかなりの部分で廃止になってるよ。それによるトラブルもないし、普段の行政サービス、住民票なんかの申請には、過剰な取り扱いだったんだろうね。みんな『必要ないよな』って思っていたけど言い出しっぺにはなりたくなかったから、これ幸いに『もういいんじゃね?』ってことで一気にやっちゃったってとこじゃね?」という明るいお返事が届いた。 ちなみに彼は今「サインするのが面倒なのでシャチハタ等で押印する、っていうのはあるよ!」という使い方をしている。