教育インフルエンサー「じゅそうけん」が語る中学受験で“やってはいけない”受験校選び
中学受験はコスパが悪い?
--じゅそうけんさんは、「中学受験を□コスパ□で考えてはいけない」とおっしゃっていますね。
それこそ、最終学歴としてMARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)あたりに行かせたいなら、公立中学□公立高校から指定校推薦で目指すのが最安ルートです。
中学受験にかかる費用の相場が、小学校4年生から6年生まで3年間の塾通いで約300万円、それに加えて低学年からの入塾や家庭教師、個別指導、さらに私立中高6年間の学費などを合わせると、中学受験を選択することは、公立に進学する場合と比べて1000万円程度余分に資金を注入することになります。
ところが、中学受験で資金をかけ、親子ともに大変な思いをしてMARCHの附属の中学に入った子と、高校まで公立育ちの子が結局大学で一緒になるケースはものすごく多い。また、仮に1000万円かけて開成に入れたとしても、全員が東大に入れるわけではありませんし、現役で東大に受からない子の方が多いんです。
つまり、中学受験をすることで良い大学に入れるかをコスパで考えたら、1000万円というのは決してパフォーマンスの良い数字とは言えません。そこは冷静になった方が良いというのが僕の考えです。ご家庭の方針が決まっておらず、ピンとくる学校がないのに、「周りの子が中学受験するからうちもしなきゃ」とか、「中学からはどこか私立に入らなきゃいけない」といった不安を感じる必要はまったくないと思いますね。
--そう考えると、親世代には学歴観のアップデートも必要ですね。
親御さん世代と今との30年のギャップはとても大きいです。今年の大学受験を振り返っても、同学年が200万人を超える団塊ジュニア世代と比べ、今はすでにその半分で、今後はずっと右肩下がりです。
かつてのMARCHは今でいう早慶並みに難しく、7割が浪人するような時代でしたが、今は、少子化によって一般選抜以外の入試(総合型選抜など)がメジャーになりつつあり、随分ハードルが下がっています。早慶に比肩する難関私大と言われる上智も、最近では推薦枠が急増して入りやすくなっています。