4月から義務化――障害がある人への「合理的配慮」とは 負担と線引きは? キモは“建設的な対話”【#みんなのギモン】
■企画した1人に聞く…相手をどう見るか
菅原解説委員 「この研修を企画した1人の全盲のエンジニア、中根雅文さんは『障害者と同じような不便さに置かれてしまうという状況は、誰にでも普通にある』と指摘します」 「その上で中根さんは『相手を配慮する対象と見るのではなく、対等なコミュニケーションの相手として見る。そこをまず意識すると、(社会が)変わってくるのでは』と言います」 斎藤キャスター 「例えば外国人観光客に道を聞かれた時に、翻訳ツールを使ってサポートするようなニュアンスに近いのかなと思います。とにかく相手へのリスペクトがちゃんとあれば、対等なコミュニケーションはできるのかなと思いました」
■アプリで自販機のボタンを押さず購入
菅原解説委員 「ここからは、『自販機も…開発相次ぐ』のポイントについて見ていきます。企業の製品やサービスにも、障害者の方の不便に対応するものが広がっています」 「日本コカ・コーラのスマホアプリには4月下旬から機能が追加されます。アプリに向かって商品名を言うと、自販機のボタンを押すことなく飲み物が出てきます。高い所にあるボタンを押せない車いすの利用者らの悩みを解消するためです」 「また、自販機の場所が分からない目の不自由な方も利用できるようにと、自販機が近づくとスマートフォンが震えるような機能もあります」
■自動ドアの開閉を調整する製品の開発も
菅原解説委員 「自動ドアの販売などを行うフルテックなどでは、スマホのアプリを使ってドアの開閉速度やアラームを鳴らすかどうかなど、ドアの開け閉めを調整できる製品の開発を進めています」 森アナウンサー 「こういったテクノロジーの力を借りて、社会的なバリア・障壁をなくしていくというのはとても大事ですし、今回の義務化を受けて事業者側も見直すきっかけになるかもしれませんよね」 「『我々の会社の中でどんな障壁・バリアがあるのか』と振り返る。あるいはルールや前例がないからうちではできませんよ、というだけではなく『もしかしたら話し合えばなくすことができるんじゃないか』と考えることもできます」 菅原解説委員 「障害者の方だけではなく、できあがった製品は不自由のない私たちにもとても便利なものになるかもしれません。『義務化』と堅苦しく捉えるのではなく、みんなが生きやすくするため、日々お互いに何ができるのか考えるきっかけになればいいと思います」 (2024年4月1日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。 お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。 #みんなのギモン https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html