鴻池運輸の原点は近代化で勢い増す製鉄所 現在は食品や空港、病院も【経済トレンド】
鉄鋼や食品などの分野で物流を担うほか、工場で幅広い製造工程を請け負い、設備の維持点検などにも深くかかわる。(共同通信=川村剛史記者) 1880年、創業者の鴻池忠治郎が現在の大阪市で労務供給業と運輸業を起こし、後に河川の改良工事などに参加。会社は1945年に設立した。 1900年には、近代化で勢いを増す製鉄所の原材料の搬出入や運搬を受注。そこから物流にとどまらず、設備の維持や改良などにも加わり、現場で必要とされる技術力を高めた。現在も大手鉄鋼メーカーの製鉄所で、原材料の搬入から製造、配送までの業務を一貫して引き受けている。 食品分野は1951年から。大手飲料メーカーなどの工場で、ペットボトル製品の原料受け入れや調合、箱詰めなどを手がける。近年は製品の保管配送拠点で無人フォークリフトの導入などを進め、効率化に取り組んでいる。 ほかにも、国内主要空港で搭乗手続きや航空機への貨物積載などのサービスを担当。医療分野でも病院内の業務効率化を下支えし、成長著しいインドでも医療関連事業を展開している。