「大阪万博」目指す松井知事が会見(全文1)新しい万博を提示したい
万博開催について
今月の11日に万博開催について閣議了解が得られ、正式に国のプロジェクトとなりました。私が万博を必要と考える理由は2つです。1つ目は万博には圧倒的な求心力、発信力があるということです。2つ目は世界が抱える共通の課題に対して解決策を日本なら提示できると思っているからです。1970年の日本万博の焼き直しではなくて、新しい万博を提示したいと考えています。日本の成長を牽引するために必ず万博開催を実現させるという強い思いを持って取り組んでいきます。 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。1人1人の命が輝く生き方と、それを可能にする社会、経済の未来像を参加者全員で共に描く場としたいと思います。会場はベイエリアにある夢洲です。万博を契機に夢洲を日本経済成長の起爆剤にしたいと思います。来場者数は3000万人程度を見込んでいます。 万博のアイデアは大きく3つあります。1つ目は「待ち時間ゼロの万博」です。AI搭載のロボットが清掃、飲食販売、ガイド、来場者の荷物運搬などさまざまなサービスを担います。例えばロボットが来場者に空いているパビリオンを紹介したり、ロボットによるパレードなどを提供します。またドローンが荷物を運んで、これ、お土産などの荷物からの解放もされます。さらにパビリオンごとに事前に観覧予約を受け付けて時間が近づくと来場者に知らせるシステムにより、待たない博覧会を実現したいと思います。 次に「世界各地から参加できる万博」です。参加者同士が未来のライフスタイルや社会、経済のシステムについて対話をすることが重要です。異なる価値観に触れて新たな気付きを得られる場にしたいと思います。参加者の発信を促し、出展者からの一方通行にならないようにします。また、会場に来ることのできない人にVRの技術などを使って、実際に会場にいるような体験を提供します。 最後に「健康になる万博」です。来場者の行動パターンや食習慣をデータ化し、個々に合ったライフスタイルを提案します。また最先端のライフサイエンス技術も体験をしてもらいます。わくわくと万博を楽しんでいただきながら、来場前よりも元気になって帰っていただける万博を目指します。 iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞された山中教授も万博を応援していただいており、心強く思います。大阪、関西には山中先生などの研究者や、研究施設などのライフサイエンスに関する強みがあります。その強みを生かして世界に貢献をしたいと思っています。途上国では公衆衛生などの課題を抱えています。また今後アジアでは高齢化が加速されると予測をされます。世界で最も早く超高齢化社会に突入をした日本、関西から新たな技術やサービスを提供し、課題解決に貢献ができると考えています。 健康関連産業は医療だけではなく、スポーツ、食、エンターテインメント、笑いなど広い裾野があります。こうした健康関連産業の振興により、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後の日本の成長を牽引したいと思っています。これから世界を舞台とした本格的な誘致活動が始まります。ここからが正念場です。世界各国から多くの支持が得られるように地元大阪府といたしましても政府や経済界、関西自治体と一体となって全力で誘致活動に取り組みます。さらに国内機運も盛り上げていきたいと思います。すでに立候補しているパリは強力なライバルではありますが、2025年国際博覧会を必ずこの日本で実現するという覚悟を持って全力を尽くします。