履歴書手書き論争、実際のところPC作成とどちらが有利なの? 大学ジャーナリスト・石渡嶺司
堀江貴文さんの履歴書に対するTwitterでのコメント、「手書きはやめて欲しいね。」がネット上で話題になっています。 元は、匿名ブログの3月7日投稿記事「履歴書が手書きの奴は採用候補に入れたくない」が発端です。同記事投稿者は、「PCでの書類作成が苦手なのではないかと感じる」「手書きで書くことで誠意を伝えようとか考えていそう」の2点を根拠として挙げ、誠意を見せることは大事だとしながらも、「手間暇を無駄にかけるのが誠意だと思われるのは困る」としています。 堀江さんのTwitter投稿は、この記事を受けてのものです。それでは、果たして新卒採用において、履歴書やエントリーシートを含む選考書類の手書きは有利になるのでしょうか、不利になるのでしょうか? 採用担当者に取材すると、ほぼすべて、「手書きの方がいい」との回答で揃いました。理由は、「人となりがわかるし熱意もわかる」「一般職だと字の丁寧さは大事なのでかなり見る。書類・礼状などを書く機会も多いし、そのためにも手書きでないとダメ」「PC作成でも手書きでも内容が大事。ただ、手書きで殴り書きだと、どうしても入社への思い入れがその程度か、と考え込んでしまう」「字はうまくなくても丁寧かどうかは見ている。履歴書ではなく、会社説明会アンケートでも、丁寧に書ける学生は、その後の選考でも結果論としては高い評価を受ける学生が多い」など。 これが、大学キャリアセンターも同様で、「オンラインでのみ受け付ける企業ならPC作成だが、特に指定がなければ、手書きで丁寧に書くよう、指導している」との大学ばかりでした。 『短所を言えたら内定が出る』(パブラボ)著者で採用コンサルタントの柳本周介さんは、「新卒採用の履歴書は指定がなければ手書きがお約束です。社会人転職の職務経歴書はPC作成ですけどね。まあ、新卒採用の履歴書でもPC作成であることを理由に落ちる、なんてことはまずありません」と話したうえで、企業が手書きを好む、意外な理由を教えてくれました。「メンタルの弱さがわかる、これも手書きを好む理由です。メンタルの弱い学生は、独特の書き方、と言いますか、震えた書き方をしています」