打首獄門同好会らしさ満載のメッセージ・ソング『BUN BUN SUIBUN』
現地調達ができる人のタフさ
5月30日放送の日本テレビ系 『ダウンタウンDX』でのこと。お酒大好き芸能人大集合SPと題して、お酒にまつわるトークをしていた。飲みの場で皆どんな話をしているのかという話題になり、仕事の熱い話のエピソードが披露される中、博多華丸・大吉の華丸さんは「私は出されたおつまみについて話してます」と涼しい顔で言ってスタジオを爆笑させていた。相方の大吉さんが「出てきた冷奴(ひややっこ)で30分くらい話してるんです」と言うと、一転して客席から「えーっ……!」「ひゃーっ……!」と、悲鳴が上がった。華丸さんは意に介さず、「何を足したら美味(うま)いか。だから、薬味の話ですね。薬味の話をしてます」と笑顔で続けて、再び爆笑を起こしていた。 よく、無人島に何を持っていくかみたいな話があるけれど、いくら大事だ便利だと言っても、布団だの電子レンジだのを持っていくなんていう人はどうかしているわけで、大体はナイフ的な道具を持っていき、それを使って食料や寝床なんかを現地調達して生き抜くのがサバイバルの基本だろうと思う。 飲み会がそれと同じだとは言わないけれど、やはり飲みの場でも仕事の場でも、話題を現地調達できるというのは大事なことだし、それが自然に出来る人は人間としてタフさを感じるというか、面白い人だなと感じている気がする。 とりあえず最小限の持ち物で飛び込んで、あとは現場でどうにかする。それが生きる力のある人の基本なのだと思う。持ち物が少なければ、フットワークが軽くなる。それはつまり行動範囲が広がるということでもある。
なんぼあってもいい物とは
ミルクボーイが漫才のつかみで、客席の一番前まで行って、お客さんから何かを受け取る仕草(しぐさ)をしながら、「あ~、ありがとうございます。今、ベルマークをいただきましたけどもね。ありがとうございます。こんなんなんぼあってもいいですからね」みたいな一言を言うくだりがある。 先日、家を本格的に片付けた。いわゆる断捨離というやつで、家中の荷物をすべて引っ張り出して、要る要らないをすべて仕分けて、要らないものは片っ端から処分した。おかげで家が軽くなったというか、贅肉(ぜいにく)が落ちてダイエットに成功した感じがする。 ごくたまにしか使わないものや、使うかもしれないけど実際は使わないものに圧迫されて、自分が毎日生活するスペースが減っていくというのは、なんとも本末転倒なことだと、あらためて思った。そもそも都会で暮らす上では「スペース・イズ・マネー」なのである。いくら収納が多い物件だったとしても、その収納スペースにだって、高い金額を払っているのだから。 片付けながら、履かないまま眠っていたスニーカーを手に取って、ミルクボーイの「こんなんなんぼあってもいいですからね」という言葉が脳裏に浮かんだ。私は同じ靴を何足も買い足してしまう癖があった。というのも、自分が気に入っている靴がどこかで安売りされているのを見つけてしまうと、「こんな値段で売られるような靴じゃないのに」と、使命感みたいな気持ちが込み上げてきて、つい買ってしまうのである。その時は、まさに「こんなんなんぼあってもいいですからね」の心境なのである。 でも、この世になんぼあってもいい靴などないのである。片付けるほどにどんどん広くなっていくシューズクローゼットの前で、肝に銘じた。