【日本市況】円下落、日銀利上げ見送り観測で一時153円台-債券上昇
債券
債券相場は、中長期債で日銀の早期利上げ観測の後退を背景にした買いが継続。日銀国債買い入れオペで中期債の需給の引き締まりが示されたことも支援材料となった。
アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジストは、日銀オペ結果も強めで、「12月利上げ期待の高まりでフラットナー(平たん化)を構築していた取引の揺り戻しの動きもあるのではないか」と述べた。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、日銀短観はオントラックであることを裏付ける内容だが、今後も持続していくことを示すには春闘で高い賃上げが実現する見通しが説明材料として有効だと指摘。利上げは「1月がベターと思われる」と述べた。
日銀は午前の金融調節で国債買い入れオペを実施。対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、10年超25年以下で、いずれも買い入れ額を前回のオペから据え置いた。オペ結果では1-3年、3-5年、10-25年の応札倍率が前回から低下した。
新発国債利回り(午後3時時点)
株式
東京株式相場は反落。前日に日経平均が4万円台の大台を2カ月ぶりに一時回復した反動に加え、米国市場が11月の米生産者物価指数(PPI)を受けて軟調だったことや中国株の下落を背景に売りが優勢となった。
初めて2万ポイントに乗せていたナスダック総合指数が反落するなど米国のハイテク株安を受けて、電機や機械、精密機器株が下落。リクルートホールディングスなどサービス業の一角も安い。
TOPIXの下落に最も寄与したのがソニーグループで、3%の値下がり。指数構成銘柄2126のうち、1318銘柄が下落し、上昇は686銘柄にとどまった。
楽天証券の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、日経平均が4万円台にとどまることができなかったことについて、米国のトランプ次期政権による不確実性に対する懸念が残っているのだろうと話した。
大和証券の柴田光浩シニアストラテジストは、中国の中央経済工作会議で景気浮揚に向けた具体的な話がなく、「中国株が売られてる流れに引っ張られた」面もあると話した。