【NBA】グリズリーズ番記者に聞く河村勇輝の評価「司令塔としての力量はすでに上質」
――昨季苦戦の要因になった故障者が復帰し、グリズリーズの現状をどう見ていますか?
MW:主力選手が健康を保つ限り、リーグ最高級にエキサイティングなチームになるだろう。選手たちは自身の価値を改めて証明したいと思っている。モラント、デズモンド・ベイン、ジャレン・ジャクソンJr.といった主軸が復帰し、育成を進めたおかげで層も厚くなった。ルーキーのイディーもプレシーズン戦で良いプレイをしている。ジェイク・ラレイビアが成長し、GG・ジャクソン、ビンス・ウィリアムズJr.が戻って来れば、戦力は整う。 さらにピッペンJr.、ユウキ、ジェイ・ハフといった若手が伸びれば、より隙のないチームになる。ほとんどのファンは、一昨季まで2シーズン連続でウェスタンの第2シードになったグリズリーズの潜在能力をすでに忘れてしまっている。今季のサプライズチームになる可能性を秘めていると思う。
――そんなチームの中で、現実的に近未来の河村はどうなっていくと予測していますか?
MW:最終的にはユウキがどんなキャリアを築きたいかに委ねられるのかもしれない。彼なら日本に帰って、人気選手としてアメリカで稼げるよりも多くの高給を手にすることもできるのだろう。ただ、NBAでやっていきたいのであれば、まずはGリーグでプレイしなければいけないはずだ。 現在、2ウェイ契約の枠は埋まっているが、ピッペンJr.が本契約を手にすれば、ユウキが2ウェイ契約を得る現実的な可能性はあると思う。その上で、グリズリーズとGリーグのハッスルを行き来して経験を積み重ねていくのかもしれない。2ウェイ契約とはならず、今のままの契約形態なら、ハッスルでプレイすることは他の全29チームに向けたオーディションにもなる。 ピッペンJr.はレイカーズのGリーグで(2ウェイ契約選手として)スタートし、グリズリーズがより安定した形でNBAでプレイする機会を与えた。ユウキにも同じような未来が開けても不思議はないと思う。まずはハッスルでシーズンをスタートさせ、腕を磨き、ラスベガスで開催されるGリーグのショーケースゲームなどで力を見せるのがユウキにとって最善の機会になるのではないかと感じている。
杉浦大介 Daisuke Sugiura