いまさら聞けない「ウェルビーイング」って何? 「働きがい」=「生きがい」の時代が復活するこれだけの理由
「僕がインファウンドしてたんで、サスティナブルはワールドクロックになってませんか?」 お笑いコンビ・チョコレートプラネットの2人がビジネスパーソンに扮して、「それっぽいカタカナ語を連呼しながら、議論ぽいことをする」というコントの一幕です。風刺が利いています。コントで出てくる言葉の多くは実在せず、意味もないのですが、それっぽく聞こえます。 現実のビジネスシーンでも、意味がいまいちわからないまま多用されたり、そもそも日本語のままのほうが伝わったりする言葉が多いですね。コンセンサス、アントレプレナー、アジャイル、エシカル、コンピテンシー、シュリンク、バジェット……(全部わかる人いますか?)。今回はそんな言葉のなかでも、ビジネスシーンに限らずよく聞くけれど、ふわっとしている言葉、「ウェルビーイング」について解説します。
ウェルビーイングってなんだ?
ビジネスシーンでは近年、生産性向上のヒントとして「ウェルビーイング」が注目されています。また、ふだんの生活でも「ウェルビーイングを目指す生活」などが紹介されています。ある女性雑誌では「ウェルビー女子」=“ウェルビーイングな生き方をする女性”の特集が組まれていました。 視野を大きく広げると、世界的には「モノの豊かさ」が限界を迎えつつあり、「ココロの豊かさ」を目指そうという考え方として、ウェルビーイングが注目されています。日本では内閣府が2021年に「Well-beingに関する関係省庁連絡会議」を設置し、ウェルビーイングに関する取り組みを推進しています。 英国は2010年に国家としてウェルビーイングに取り組むことを宣言して、統計局がウェルビーイングを計測するようになりました。GDP(国内総生産)だけでなくGDW(国民の幸福度=ウェルビーイング)も見える化しようという取り組みです。 ブータンは、GNH(Gross National Happiness)の増大を目指すと宣言しています。かつて「世界一幸せな国」として注目されたのは、こういった背景があります。 また、さまざまな企業でも社員のウェルビーイング向上に取り組んでおり、部署の設立なども盛んです。