注目は“フラッグシップ大会” 9月戦線で賞金レースが動く?【ステップ・アップ便り】
国内女子ツアーは次から次と現れるスターの活躍で毎年盛り上がりを見せている。そんな隆盛を支えるのは、下部ツアーの存在があるからこそ。そのステップ・アップ・ツアーは今季21試合中11試合が終了。いよいよ秋の陣に突入だ。 エレガント…河本結さんのドレスフォト ◇ ■9月は3試合開催 注目は“フラッグシップ大会” 暦の上では秋とはいえ、まだまだ日本列島では猛暑日が続出し、異例の残暑となっている。9月に3試合が開催されるステップ・アップ・ツアーでも、賞金女王に向けて“熱戦”が繰り広げられることになりそうだ。 まず13日(金)からは岡山県の東児が丘マリンヒルズGCで「山陽新聞レディースカップ」が開催。2010年から行われている歴史ある大会で、歴代覇者には西山ゆかり、岡山絵里、河本結、岩井明愛、櫻井心那、そして昨年の酒井美紀とレギュラーツアー優勝経験者がずらりと並ぶ。 その次週にはお隣の広島県は芸南CCに舞台を移し、「中国新聞ちゅーピーレディース」が行われる。2022年には櫻井心那、昨年はウー・チャイェン(台湾)が勝利。2連続でその年の賞金女王がタイトルをつかんだことからも、女王戴冠に向けてブーストをかける時期だということが分かる。 もっとも注目されるのは、24日開幕の「Sky レディースABC杯」(兵庫県・ABCゴルフ倶楽部)だ。同大会はロレックスランキングのフラッグシップイベント。唯一の4日間大会で世界ランキングポイント付与の対象となっている。 賞金総額はシーズン最高額の4000万円。優勝者には720万円が与えられる。女王争いに大きな影響を与えることは間違いない。 ■ステップ初のリランキング実施 対象は? SkyレディースABC杯終了後にはステップ初となる『リランキング』が実施される。主にQT(予選会)ランキング105位以下が対象となり、“調子がいい選手”により多くの出場機会を与えよう、というもの。QTランク下位でステップ出場もままならなかった選手でも、わずかな試合出場で結果を残せば“一発逆転”。リランキングにより10月以降の出場資格を得ることができる。 リランキングで争われる枠は実質『40』ほどと見込まれており、QT下位の選手は“職場”を確保するためにラストスパートをかける。9月戦線はさらに熱を帯びそうだ。 ■し烈な賞金女王争い 上位選手をおさらい シーズン5勝を挙げた2022年の櫻井、同3勝を挙げて昨年の賞金女王に輝いたチャイェン。ともにシーズン最多勝を挙げたとあって、女王レースはほぼ“一人旅”の様相を呈した。最終的にチャイェンは2位に650万円、櫻井は1000万円以上の差をつけて女王戴冠となった。 だが、今年は戦力が拮抗している。ここまでシーズン複数回優勝を挙げた選手はいない。ランキング1位を走るのは開幕戦を制した22歳・永嶋花音で、727万5777円。そのわずか12万円差の2位に28歳の権藤可恋が続いている。 3位のベテラン・若林舞衣子から10位の山本景子までの差は100万円もない。団子状態となっているだけに、この秋の陣で一気に抜け出すことも可能だ。 ランキング1位、2位の選手は来季のレギュラーツアー前半戦(第1回リランキングまで)の出場権を獲得。トップ2とそれ以外では雲泥の差がある。昇格をかけた賞金レースは、9月戦線でどのような動きを見せるのか。