J2で天皇杯制覇、甲府のベテラン3人が語る下克上 先制点の三平、PK止めた河田、最後のキッカー山本
昨年のサッカー天皇杯全日本選手権はJ2甲府が初優勝し、J2勢で11大会ぶりに頂点に立った。当時リーグ戦で下位に低迷し、J2で平均的な経営規模の地方クラブの下克上は、広島との決勝の劇的な展開と相まって大きな反響を呼んだ。優勝の立役者となったDF山本英臣(43)、FW三平和司(35)、GK河田晃兵(35)のベテラン3人が快進撃を振り返り、12日に行われる鹿島との今大会3回戦へ意気込みを語った。(共同=大島優迪) ▽敗退覚悟の鹿島戦 ―昨年は3回戦の札幌から鳥栖、福岡、鹿島とJ1勢を次々に破りました。 山本「J1のチームからすればJ2のチームと当たるのはラッキー。『ラッキー』と思った隙は、どの試合でも感じた」 三平「J2で戦っていてもボール保持率では圧倒していたので自信はあった。福岡戦までは勝てるのでは、という感じがあった。準決勝の鹿島は守備に隙があると思っていたけど、攻撃陣は鈴木優磨やカイキがすごかった。いい勝負ができても、勝てないだろうと感じていた」
河田「鹿島戦は全然違った。ここで敗退するだろうと、みんな思っていた。『思い切りぶつかって一矢報いれば』という感じで臨めた」 山本「カシマスタジアムの鹿島の強さを知っているので勝機は少ないと思っていた。でも若い選手は気負っている感じがなかった。先制点の後は失点しない戦い方にシフトした。こういうサッカーもできるんだと成長させてくれた試合だった」 三平「(クラブ初の)準決勝進出で大健闘と思っていた。鹿島に勝った時は『勝っちゃった』という感じ。あの試合が一番鳥肌が立った」 ▽決勝進出も浮足立たず ―決勝進出で、さらに注目されました。浮足立つことはありませんでしたか。 山本「J2で勝っていなかったので浮足立てないような状況だったけど、いろいろな人が連日取材を受けていた。僕も(在籍21年で)長く甲府にいるけど、そんなことはなかった。だんだん自分たちがやってきたことのすごさに気づいた」