虎のソナタ 阪神に台湾選手来てくれたら… 元トラで銀腕・郭李を超える活躍ある!?
「大山は欠席らしいです」 「出席者のリストを見ても、名前がありません」 大阪市内で行われた球団納会。トラ番キャップ・新里公章の元に、他のトラ番たちが次々と報告にやってくる。「出席者」ではなく、「欠席者」のほうが話題を集める異例の状況が、FA戦線の緊迫度を象徴していた。 昼間に発表されたベストナインも、阪神からは外野手部門の近本1人だけ。まあ、予想通りとはいえ…。 出ていく。辞める。来ない。もらえない。何となくマイナスイメージが浮かぶワードが飛び交うシーズンオフ。日本一に輝いた去年が華やかだったから、なおさら寂しさが募る。 納会出席者のあいさつも〝来年こそ〟のオンパレード。はい、よろしくお願いしますね。 24日まで行われていたプレミア12も、侍ジャパンが決勝で敗れる、非常に残念な結果に終わった。開幕から全勝だったのに、最後の1敗で2位になるのは、何となく納得しがたいシステムだし、台湾とは3戦して2勝1敗なのに優勝ではない現実は、首をかしげたくもなる。 「でも、それまでの戦いと違って、逆転できそうな雰囲気はあまりなかったですよね。仕方ないでしょう」 テレビ観戦したトラ番・邨田直人は〝力負け〟を肯定していた。確かに、先制されて、勝てそうな気はしなかった。潔く認めよう。 日本のプロ野球も、シーズンで2つしか貯金がなかったDeNAが日本一に輝いている。野球というのは〝こういうこともある〟スポーツなのだ。 その台湾は、優勝メンバーを乗せた帰国便を、戦闘機がエスコートして凱旋するプランが明らかになった。ネットニュースを見ていたら、1992年バルセロナ五輪の野球で銀メダルに輝いて以来の大盛り上がりだとか。 32年前。日本代表(まだ侍ジャパンの呼称もない時代)は、アマチュアだけのメンバー構成。伊藤智仁(三菱自動車京都→ヤクルト)、小久保裕紀(青学大→ダイエー)らを擁して金メダルを目指していた。 敵はキューバか、米国か。そんな雰囲気で始まったが、予選リーグで台湾に完敗。2位で準決勝進出も、再び台湾に完敗した。台湾に2戦2敗。日本の前に立ちはだかったのは、台湾のエース・郭李建夫。まるで打てなかった。