360°大パノラマ、八ヶ岳ブルーを望む 山頂でコーヒーを味わう贅沢! 長野県・入笠山の旅<後編>
今度の休み、何をしよう。Netflixを観ながらベッドの上で過ごすのも悪くないけど、たまにはアクティブに冒険してみるのもいいかも――。「思いっきり自然を楽しめる場所に行きたいんだけど」「ローカルのグルメやお洒落な店も気になるよね」「泊まりだと厳しいな」「じゃあ、車でサクッと行って帰ってこよう」 【画像】北アルプスがくっきりと。見えているのは穂高連峰と槍ヶ岳。 そんなウェルネスな日帰りトリップを提案する本連載では、幅広い知見を生かしてアウトドアカルチャーを提案するレーベル「焚火遊道」の猪野正哉さん、田中行太さんがさまざまな旅の楽しみ方をコーディネート。 自然もグルメも街歩きもワガママに味わい尽くす日帰りトリップ第三弾は、長野県富士見町へ。まず初めに目指すのは南アルプス南端に位置する標高1,955メートルの入笠山。ゴンドラに乗って入笠湿原までまったり歩いたら、いよいよ山頂を目指して登ります。
ほどよい勾配の樹林帯へ軽めの岩場ゾーンも楽しい
入笠湿原を超えて入笠山の登山口に到着するまでは、比較的なだらかな道が続きます。しかし、ここからは本格的な山登り。とはいえ、キツすぎない適度な勾配なので、心地よい疲労感のなかトレッキングを楽しむことができます。 山道を囲う多くは落葉樹。寒さが強まり、葉を落として枯れ木となった木々のすき間から、時折り遠くの山並みが見え隠れします。そんな何気ない一コマが、前へすすむ原動力になるのもトレッキングの魅力です。 しばらくすると、ちょっとした岩場ゾーンに。ポールや手をしっかり使って体のバランスを取りながら、ゆっくりと、たしかな足取りで登っていきます。すると徐々に空が近くなってきて、頂上の気配が……。 一気に視界が開けると、目の前に山頂が広がります。
360°に広がる絶景の中心で心を整える
雲一つない快晴。見晴らしのいい山頂には、贅沢すぎる絶景が待っていました。北、南、中央アルプスの山脈に八ヶ岳連峰、霊峰富士山まで、どこを切り取っても美しい峰々が映る圧巻のパノラマ。 「こんなに気軽に登れるのに、これほどの景色が味わえるなんてコスパがよすぎます(笑)。」(佐竹さん) 山頂ではひんやりした空気と暖かい日差しのハーモニーが心地よく、何時間でもいられそう。秋から冬にかけての季節は乾燥した空気の影響で、空が紺碧に染まります。この地域では、そんな目が覚めるような青を“八ヶ岳ブルー”と呼ぶそうです。 富士山をバッチリ捉えられる特等席に腰を据えたら、たっぷり深呼吸を。多忙な日々のなかで溜まってしまった心の老廃物が、浄化されていくような気がします。