流行語大賞候補に驚きの北口榛花、アジア記録更新には自信「条件がそろえば出すことは可能」/陸上
今夏のパリ五輪の陸上やり投げ女子で金メダルを獲得した北口榛花(26)=JAL=が14日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で練習を公開。来年の新シーズンへの意気込みなどを語った。 【写真】北口榛花の祝賀パレードに約4万8000人「金メダルのおかげでいい経験をさせていただいている」 11月1日に練習を再開した北口は多くの報道陣が見守る中、ストレッチや陸上トラックを使ったラントレなどを実施。「自分は(体の)軟らかさが強み。料理と一緒で強火で焼き過ぎないように。トレーニングの強度と火加減を間違えないように。1年間、じっくりコトコトやっていけたらいいのかなと思っています」と独特の表現で意気込んだ。 昨季は歴史的な偉業を達成した充実のシーズンとなった。パリ五輪で日本女子のトラック&フィールド種目で初の金メダルを獲得。9月14日にベルギー・ブリュッセルで行われた陸上の最高峰シリーズ、ダイヤモンドリーグ(DL)最終戦では2季連続の最終戦制覇を果たした。同16日に帰国し、オフの間もイベント参加やプロ野球の始球式、故郷の北海道旭川市で行われた祝賀パレードなどで多忙を極めた。 現在はNTCを中心にして、バドミントン、水泳、体操なども練習に取り入れ、新シーズンを戦える体作りに励んでいる。来年の2月か3月にやりを投げ始め、次の大会は5月のDL(中国)を予定。「まずはアジア記録(67メートル98)を目標に。どうしても超したい記録ではありますし、ゆくゆくは70メートルを目指して。この4年間が統計的にやり投げ選手として一番良い年代の時期ではあると思うので、勝負も大事にしたいとは思いますし、また自己記録を更新できるといいなと思っています」と語った。 パリ五輪では100%のコンディションではなかったとし「アジア記録は万全の状態で試合に臨んで、条件がそろえば出すことは可能なんじゃないかなと思っています。それなりに自信があります」と笑顔を見せた。 今月5日に今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補となる30語が発表され、パリ五輪で金メダル獲得後の会見で発した「名言が残せなかった」がノミネートされた。「流行語大賞って流行ったことがノミネートされると思っていたので、何も流行ってない言葉が正直ノミネートされて。自分もニュースで知ったんですけど、『どうしたんだろう』っていうのが自分の本当の気持ち。その後、同級生からLINEがきたりとかして、『次から使うね』って言われたんですけど、今から使われても今年の流行語大賞には遅いんじゃないかなって思っています」と笑いながら話した。 新シーズンが始まれば大会に出場しつつ状態を上げていく計画で、来年9月の世界選手権(東京・国立競技場)に照準を合わせている。「たくさんの方々が足を運んでくださるとうれしいです。本当にたくさんの方々の中で投げたい。できればよい投擲(とうてき)を見せたい。日本の国立競技場が満員になっているシチュエーションは見たい。東京での世界大会を楽しみにしています」と自国開催の大観衆の中での投擲を待ち望んだ。(尾﨑陽介)