八村塁 日本バスケを愛するがゆえの苦言「お金の目的が」「男子のことを分かっているコーチに」
NBAレーカーズの八村塁(26)が本拠地ロサンゼルスで行われた13日のグリズリーズ戦後の公式会見で日本バスケットボール協会(JBA)に苦言を呈した。代表の強化方針に対する厳しい指摘に加え、コーチ選定の不満にも言及。日本バスケ界の発展のために、忌憚(きたん)ない意見を発した。試合は35分47秒出場で19点、7リバウンドを記録し、128―123の勝利に貢献。グリズリーズの河村勇輝(23)は出場機会がなく、日本人対決は実現しなかった。 日本代表への思いを問われた八村は「あまり言いたいことではない」とした上で「日本代表のやり方というか、あまり僕としてはうれしくないところがある」と切り出した。 最初に矛先が向いたのが強化方針だった。八村は「僕が思うに、お金の目的がある気がする」と指摘。パリ五輪前の強化試合ではスポンサーのために国内で試合をする必要があり、主力不在のオーストラリアや五輪出場権のない韓国との対戦を余儀なくされた。欧州入り後は世界的強豪のドイツ、セルビアと強化試合を積めただけに意図は理解できる。 続いて代表コーチの選定にも言及。「僕らは日本の男子のトップのプレーヤー。日本代表にふさわしい、男子のことを分かっている、アスリートとしてプロでもやっていた、そういう人がコーチになってほしかった」と不満を口にした。具体名は挙げなかったが、女子の指導経験しかないまま就任したホーバス監督を指す可能性が高い。 JBAは10月にホーバス監督との契約を延長。今月下旬のアジア杯予選に向けて既に国内で合宿を開始している。八村は「今回そういうふうになってしまったのは残念」と強調。「子供たちのため」「日本バスケを強くするため」など厳しい言葉の節々には愛がにじんだ。一方で、ここ数年のJBAの方針で、男子日本代表が急速に力をつけたのも事実。八村が代表に合流する期間はW杯や五輪に限られるが、大エースの発言は波紋を広げそうだ。