保育料無償化に立ちはだかる自治体予算の壁 新潟県内で“完全無償化”は1町1村のみ【記者なび】
【出雲崎町民】 「子どももやっぱり小さかったので、共働きというのがあまりできなかったので、自分だけの収入でこの保育園とかも通わせなくてはいけなかったんですけど、一番お金のかかる時に無償化してくれたのですごい助かっています」 人口およそ4000人の出雲崎町。0歳~5歳の子どもが88人いて、このうち国が無償化の対象にならない0歳~2歳の子どもが33人です。 昨年度、町が完全無償化にかけた予算はおよそ960万円で、単独のソフト事業としては最大規模だそうです。 それでも取り組むのは… 【出雲崎町 子ども未来室 寺尾勉室長】 「やはり子育て世帯の皆さんからは、本当に大好評をいただいているところです」 「またこの無償化だけでなく、総合的な支援を通じた中で転入者へのつながりがあればと思っています」 小池)子育て政策に力を入れている出雲崎町では2020年から2022年まで転出者より転入者が多くなるなど成果を上げています。 黒崎貴之キャスター)人の呼び込みでも大きな強みになっていると思います。県内自治体の保育料はどうなっているのでしょうか? 小池啓人記者)完全無償化となっているのは2つの自治体。また、一部を独自で無償化しているのはこちら。例えば、柏崎市では1歳と2歳児が無料です。この他、無償化まではいかなくても、条件によって保育料が安くなるよう補助している自治体や給食費など保育料とは別の支援に特化している自治体もあります。 どの自治体も完全無償化に取り組みたいのは山々ですが、ネックは予算です。新潟市の昨年度の試算では、完全無償化には市の保育料の負担額が現在からプラス21億円、総額36億円ほどと、現在の2倍以上の負担となります。 また県によりますと、県が仮に県内の保育費を完全無償化しようとした場合、「試算はないが、何十億から何百億規模で予算がかかるのでは」ということです。 そのため、県や新潟市は国に全国一律での保育費の完全無償化を求めていて、自治体間で差が出ないよう国による制度設計が求められています。
新潟放送