【選手権】東福岡、途中出場のMF稗田幹男&MF新貝颯大が躍動 正智深谷を下し3回戦へ
第103回全国高校サッカー選手権大会第3日は12月31日、首都圏8会場で2回戦16試合が行われ、浦和駒場スタジアムでの第2試合は東福岡(福岡)が2-0で正智深谷(埼玉)を下し、新春1月2日の3回戦で阪南大高(大阪)と対戦することになった。 【フォトギャラリー】東福岡vs正智深谷 1回戦で尚志(福島)にPK戦勝ちした東福岡は先発メンバーを2人入れ替え、ボランチに杉谷俊哉(2年)を配置し、右MFには児玉愁都(3年)を起用した。 長崎総科大附(長崎)との1回戦を2-1で制した正智深谷は初戦と同じ顔触れが先発に名を連ねた。 前半の40分間は両チームとも相手の堅陣を切り崩すシーンをほとんどつくれず、東福岡はシュート1本、正智深谷は2本しか打てなかった。 東福岡の平岡道浩監督は「芝がめくれていたので、(豪胆に攻める)勇気がなかったですかね」と振り返った。 東福岡は8分にFW伊波樹生(3年)がゴール前から強シュートを打ったが、CB佐藤飛友(3年)が出足鋭いブロックで弾き返した。一方の正智深谷は、30分にトップ下の近藤七音(3年)が強烈なミドルシュートを放ち、GKがこぼす場面もあったがゴールは割れなかった。 正智深谷は後半開始から故障明けのMF赤川空音(3年)を送り出した。背番号7はいきなりの開始20秒、右から鋭い弾道のミドルシュートを狙った。GKにパンチングで防御されたが勢いが出てきた。11分に赤川の右クロスからMF白岩龍(3年)が合わせたシュートはDFにブロックされ、17分に放ったMF小西聖七(3年)の左からの一撃はGKに捕球されて先制機を逃した。 この直後の18分だ。東福岡は児玉とMF神渡寿一(3年)が2度にわたってパス交換した後、神渡からボールを預かったMF稗田幹男(3年)が、右から逆サイドのネットに決勝点となる先制ゴールを決めた。 後半11分に東福岡は一遍に3人を交代させたが、稗田はそのうちのひとり。さらに追加タイム、同じく交代メンバーのFW齊藤琉稀空(2年)のスルーパスを受けたMF新貝颯大(3年)が、2点目を蹴り込んで勝負をつけた。新貝もまた後半33分から起用された選手だった。 3年ぶりの出場で2勝目を挙げた平岡監督は「選手権で勝ち上がるには交代選手の力が絶対に必要なので、期待に応えてくれてうれしい」と話し、稗田は「(自分がピッチに)入ってゲームを動かすことができて良かった」と喜んだ。 一方、正智深谷の小島時和監督は「得意のCKがなかなか取れなかったのが痛かった」と前後半1本ずつしか獲得できなったことを残念がり、敗戦も悔しがりながら「プレミアリーグの相手とよく戦ってくれた。選手には感謝したい。1、2年生にはいい経験になりました」とイレブンをねぎらい、来季のさらなら躍進を口にした。 (文=河野正 写真=矢島公彦)