沖縄県警機動隊、記者が体験入隊 10キロ装備と5.5キロ盾で30分走 訓練の過酷さ痛感
自然災害や大規模なテロなどが起きた際、人命救助や爆発物対応などにあたる沖縄県警機動隊。活動内容や訓練を知ってもらおうと、報道機関の記者を対象とした体験入隊イベントが6日、うるま市大田の県警機動隊庁舎で開かれた。本紙記者(26)も参加した。 【写真】爆発物処理の訓練をする沖縄県警機動隊の専門部隊 県警機動隊には、(1)銃器対策(2)レスキュー(3)爆発物対応(4)NBCテロ対策(5)水難救助の5つの専門部隊がある。中でも、レスキュー部隊は災害現場での救護者の捜索や救出が任務。今年の正月に発生した石川県の能登半島地震でも、隊員が現地に派遣され、行方不明者の捜索に当たった。 この日は、県内メディアなどの7人が各部隊の訓練を見学・体験した。レスキュー部隊による高所救助訓練や、要人警護訓練を見学。爆発物対応部隊の訓練では、実際に不審物の回収で身につける装備を着用した。重さ約30キロの防護服を着たが、身動きが取りずらく、25キロの盾を持ち上げるのがやっとだった。 最後に、プロテクターやヘルメットなど重さ約10キロの装備品を身に付け、盾を持って走る「駆け足訓練」に挑戦。隊員らに交じって列になり構内を走り回った。 「ガチャッ、ガチャッ」。一歩踏み出す度に、装備の重さが体にのしかかり体力を奪っていった。重さ5・5キロの盾を、交互に片手で持って走るため、途中から肩と腕に痛みが襲った。それでも隊員から「まだいけるぞ」と声をかけられ、なんとか30分間走り切ることができた。もうこれ以上走れないと思ったが、別の隊員から「普段は1時間走ることもある」と言われた。小学校から大学までサッカー部の所属で体力には多少の自信があったが、訓練の過酷さを痛感した。 東濵貴大隊長は「人命救助が最大の任務。自分の命を守りながら人の命を守るためには、2倍以上の体力が必要で、日々厳しい訓練に耐えている。このようなイベントを通じて、機動隊の職務に関心を持ってほしい」と語った。(社会部・玉那覇長輝)