実は「空中分解寸前だった」国民民主党、「103万円の壁」の「次」は何か?
あらゆる方面から「オモチャにされてきた」
孤立を深める国民民主に対して、「友党」と言いながら選挙区に平然と刺客を送り込んでくる立民。国民民主幹事長である榛葉賀津也氏の選挙区に、立民は徳川家広氏を擁立されたこともあった。 結果は榛葉氏の辛勝に終わったが、国民民主は自公の法案には賛成することが多い一方で、立民の誘いや共闘には一切乗らないという確固たる姿勢ができあがった。 また一緒にやろうと言いながら、支持母体もろともに飲み込みを図る自民党。企業団体の支援は受けないという一方で「民間労組は組める」という矛盾だらけの秋波を送ってくる維新。 「茂木敏充さんには怖くて聞けないようなことも玉木さんなら気軽に聞けちゃう」などと放送中に玉木代表を軽く扱っていることを公言するメディア。あらゆる方面からオモチャにされる政党。これが今回の衆院選前夜の国民民主、暗黒時代の実相である。 103万円の壁の見直しで、企業、労働者から大きな喝采を受けた国民民主。現状の支持率を維持できれば来夏の参院選では8議席以上の比例議席が獲得できる見込みだ。国民民主を支援する労働組合関係者はこう期待を込める。 「去っていた人々を恨むより、厳しい中で残ってくれた仲間を大事にしていきたい。国民民主は一般的な現役世代にとって有益な政策をこれからも打ち出していくべきだ。私たち民間労組は経営者と対決するというよりは、対等な立場で生産性三原則のもと、会社の発展も考慮し活動を続けてきた。時代が大きく変化してきている中にあって、いまや経団連を中心とした経営側は与党(自公)、労働組合は野党との考えではなく、国益と日本の成長と雇用拡大および就労環境の改善をともに考える段階に入ってきているのではないか。国民民主党には103万円の壁とガソリン減税に続き、家計支援施策のもう一つの柱である再エネ賦課金の徴収停止および原子力発電所の再稼働で、家計を温めていくべきだ」」
執筆:ITOMOS研究所所長 小倉 健一