「雨上がり」宮迫博之、土下座して引き留めた女性マネジャーへの恩
最終的には、映画の助監督さんとの結婚をきっかけに小池は吉本を辞めていくんですけど、会社を辞めろと言ったのは、僕でした。 助監督さんと付き合ってる段階から、フラフラになってたし、できる子やから何でも任される。また断らないから、どんどんやることが増えていく。なので「辞めて、自分の人生をちゃんとできる状態にせなアカン」と言うたんです。本当によくしてくれたし、今でもあんな敏腕な人は見たことない。本当に、助けてもらいました。だからこそ、小池のことを思ったら、辞めろと言ったんです。 でも、一つ思ったのが、結婚して子供が産まれたんですけど、逆算したら「あいつ、あの忙しい中、セックスしてたんや」と…。どんだけ体力あんねん、マジかと(笑)。 小池が離れてから、やっぱり、小池はすごかったんやなと思い知らされました。ポンコツマネジャーも中にはいましたからね。 僕とマネジャーがタクシー乗ってて、マネジャーに電話がかかってきたんです。大事な仕事の連絡やったんで、メモをとらないといけないのに手持ちのメモがない。なので、困り果てて、ポケットから紙を出したかと思ったら、5000円札にメモってるんです。全然余白なんてないのに。ほんで、目的地着いたら「ウワー…」と声を挙げよるんです。「どないしてん?」と尋ねると、「すみません、さっきの5000円で払ってしまいました」と。…そらね、ストレスしかなかったです。僕の中ではね、ポンコツマネジャーのせいでガンになったと思ってますからね(笑)。 辞めてから何年も経ちますが、小池には会ってないんです。今でも、相談しようかと思うこともあります。「この作品、出た方がいいと思う?」とか。ただ、今、それをしたら、お門違いやなと思って。 ま、恩返しなんてことがもしあるんやったら、ずっと、テレビに出続けることですかね。小池が作ってくれた道やから、そこを歩き続けることが、少しでもそうなったらいいなと思っています。 ■宮迫博之(みやさこ・ひろゆき)1970年3月31日生まれ。大阪府出身。大阪NSC7期生。89年、蛍原徹とお笑いコンビ「雨上がり決死隊」を結成する。コンビとしてABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、上方お笑い大賞銀賞、上方漫才大賞新人奨励賞などを受賞。また「FUJIWARA」「ナインティナイン」らとのユニット「吉本印天然素材」として人気を博す。お笑いのみならず、俳優としても活動し、フジテレビ系「救命病棟24時」、映画「20世紀少年」など出演多数。2012年、早期胃がんの手術を受けた。テレビ朝日「雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!」、TBSテレビ「炎の体育会TV」、フジテレビ「バイキング」、朝日放送「松本家の休日」などに出演。DVD「松本家の休日DVD2」が9月30日に発売される。特典映像として、完全未公開の“松本家のウラ話”が収録されている。 ■中西正男(なかにし・まさお)1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」に出演中。