「自分のやりたいことを詰め込んだ」ドラマ『外道の歌』原作者・渡邊ダイスケ先生、単独インタビュー。本作への思いを語る
クリープハイプの主題歌「生レバ」が描く独特の世界観
ーーークリープハイプによる主題歌「生レバ」を最初に聞いた時は、どう思われましたか? 「僕の漫画にすごく合っていなってるなと思いました。この間初めて『生レバ食べたい』という部分以外の、聞き取れなかった歌詞を見たんですけど、『ああ、すごいな』と。雰囲気の良さというか。多分普通の人からは出てこない発想ですよね。尾崎世界観さんは、ものすごく才能のある人だと思います。雑誌で対談をさせていただいのですが、とても話しやすい人でした」 ーーーよい関係性ですね。 「以前から、尾崎さんが、僕の漫画を読んいでると、いろんな媒体で拝見していたんですよ。なので、それで呼んでもらったのかなと思っていたんです」 ーーーえ! 本作の主題歌を担当するとは知らずに対談を!? 「そうなんです。僕、その時にDMMから主題歌が入るっていうことを聞いてなかったんですよ。もちろん尾崎さんが作っているということも全く知らなかったんで。当然、尾崎さんとしては、主題歌を作ったからその上での対談だと思っていたわけです」 ーーーそんなこと、あるんですね(笑) 「後で聞いたのですが、尾崎さんも話している途中から、主題歌について何にも言ってこないから、僕が怒っていると思ったらしく(笑) でも、全然普通に喋っていたんですけど」
「女性にこそ見てほしい」原作者・渡邊ダイスケが込めた想い
ーーー尾崎さんとは面白い出会いがあったんですね。 「尾崎さんは、僕が主題歌を気に入らなかったんだろうと思っていたらしくて。後半でインタビュアーの人がシビレを切らして、今回の主題歌の件に関してという質問をされてきたんです。で、『なんの曲でしょう?』と言ったら、『え!? い、いや、ドラマの主題歌のことです』と。いや、びっくりしましたね。僕の担当編集者も知りませんでしたから(笑)」 ーーー誤解が溶けてよかったですね~。 「気に入る気に入らないも、まだ聞いてなかったですわけですから(笑)こちらも、失礼しましたと。で、そこからは明るい感じで話せました。その後、LINEのやり取りをして、楽曲を送ってくれたんですよ。先日、ライブにも招待していただいて、その感想をお伝えしました」 ーーー緊張と緩和が目まぐるしいですね。 「対談中はギャップじゃないですけど、反動ですごく楽しい空間になったと思いますね。他の仕事でも大概は自分の思っていた計画通りにいかないし、思い通りにもいかないじゃないですか。だから、そういう不測の事態の時、どうやって周りの人を楽しませたり、傷つけないようにしたり、そのような状況に対応する力は、やはり人と会わないと身に付かないということを考えさせられましたね」 ーーー最後に、実写版から入るファンもどんどん増えてくると思うのですが、全ての視聴者たちへメッセージを! 「こんなひどい話作ってしまって、ごめんなさいですね(笑)俳優さんのファンで、その方々を見たいから観てくれる…特に女性の方になんですけど、びっくりさせてショックを受けてしまってたのではないかと。そういう人もいるかと思うので、申し訳なかったです!」 ーーーいや、謝罪会見じゃないんですから、そこまで、謝らなくても(笑)。原作には女性ファンも多いですよね。 「ありがとうございます。女性が被害に遭うという事件を扱う話が多かったので、その仕返しを主人公たちがしてくれることに、『すごく心に刺さった』、『揺さぶられた』という女性からの意見を聞いた時から、すごく意識するようになりましたね。あと、不必要に残酷な絵は直接描写として見せないように気を付けるようにもなりました。『女性にこそ見てほしいな』と、描いていて思いましたね」 ーーー実写版でも、その辺は反映されていると思います。 「警戒を促すとか、そんな大それた意味ではないんですけど、女性は、すぐ隣りに常にリスクを感じながら生活してると思うんです。この作品で、少しでもその気持ちが楽になってくれたら嬉しいです」 (取材・文:ZAKKY)
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