中居正広が20代女性に払ったとされる示談金9000万円は妥当なのか…弁護士が解説、秘匿契約の有効性にも言及
テレビ出演多数の紀藤正樹弁護士
タレントの中居正広が、会食で同席した20代女性との間で「性的トラブル」を起こし、示談金として9000万円を支払ったとする報道が波紋を呼んでいる。テレビ局は対応協議を本格化し、CM差し替え、番組差し替えの動きも出始めている。その中で「9000万円」の金額について妥当性、示談後に女性が取材にコメントしたことに関する違法性の有無について、紀藤正樹弁護士がENCOUNTに解説した。 【写真】「この3ショットは衝撃」…中居正広&松本人志&大物タレントがポーズ決めた1枚 私は、報じられている「9000万円」の示談金についてはおかしくない金額と見ています。まず、被害者とされる女性は、この一件が原因でPTSD(心的外傷後ストレス)を発症し、退職を余儀なくされたとされています。これが事実なら、単純な慰謝料に加え、労働力喪失分によっての逸失利益を求めることができるからです。逸失利益とは法的には「得(う)べかりし利益」と表現される「本来、働き続けたら得られた利益」になります。そのため、被害者の基礎収入や年齢、後遺障害の程度などによって金額が変動します。計算方法は、将来の収入分から、現在全額を受け取ることを考慮し、将来の利息分を引いた額での算出になります。それらを考慮すると、20代女性に対しての9000万円は「払い過ぎ」とは思えません。 そして、示談の場合は「秘匿契約」を交わすケースが大半です。「お互いに内容を語らない」というものですが、「正当な理由がない限りは」ということが前提になります。今回の場合、女性セブンが真っ先に報じて、週刊文春がその確認を含めて彼女に取材をかけています。そして、女性は「私の口からは一切話せません」と前置きして、「“加害者”もフジテレビに対しても私は許してないし」などと返しています。既に中居氏側も「双方の間でトラブルがあったことは事実である」と認めているということですから、この程度なら法的に「問題とまでは言えない」と考えられます。そして、秘匿契約の場合は、仮に違反をしても、「契約違反として裁判になったケースはほとんどない」という現実があります。裁判をすれば、示談に至るまでの事実関係も公になるからです。