「自分のやりたいことを詰め込んだ」ドラマ『外道の歌』原作者・渡邊ダイスケ先生、単独インタビュー。本作への思いを語る
カモ役・窪塚洋介が魅せるキャラクターの本質
ーーー俳優さんのお芝居についても感想をお聞きしたいです。まずは、カモ(鴨ノ目武)役の窪塚洋介さん。 「首の動かし方など、そういうちょっとした仕草とか、所作がもうイメージにぴったりでしたね。セリフが少なくて常にサングラスをかけていて、そこまで表情を表に出さないキャラクターなんですけど、 立ち振る舞いや声のイメージもそのものだなと思いました」 ーーー窪塚さんの聞いたことのないドスの利いた低音ボイスには、びっくりしました。 「そうですね。カモが普段の日常で喋っている時と、拷問する際などに、加害者の キャラクターと喋るのに対してでは、 声のトーンが違うんですよね。そこがすごく本当、絶妙なバランスで使い分けられていまして」 ーーーYouTube上の動画(『外道の歌』スペシャルトーク 前編 窪塚洋介×亀梨和也 -DMM TV-)で、サングラスの奥でも目線の動きを意識していると言っておりましたね。 「はい。俳優さんたちの衣装合わせの際に、呼ばれて行ったんですけど、カモのサングラスは引きの絵とアップの絵と3パターン作ると言っていました。アップの時は多分1番薄い物を着けていると思うんですけど、それでも目が、かろうじて映るくらいなんですね。窪塚さん、一生懸命やってくれてたと思うんですけど、難しいですよね。目が映りすぎてもいけないですし」
亀梨和也のアクションに光るリアルな間合い
ーーー次に亀梨和也さん演じるカモの相棒・トラ(島田 虎信)について。 「うん、もう見た目がそのまま。本当に、トラの 完全体みたいなのが出てきたといった感じでしょうか(笑)。漫画の中で10年近く描いていたので、僕の画力が途中からちょっとずつ上達していきました。最初の方はちょっと。なんだろうな...イケメンキャラに描いていたんですけど、途中から女性の読者からの反響がすごく大きいということが耳に入ってきたんです。そこで、もう早速、途中から中性的なイケメンにしようと(笑)。そっちの方のトラですね」 ーーーそんな裏話が(笑) 「11巻以降でしたかね。ギリギリで、もうちょっと早めに気づけばよかった(笑)」 ーーー亀梨さん自身が中性的なので、まさにハマり役です! 「お会いした時に、ニコッと笑顔をもらった時は、 ちょっと照れちゃいましたね(笑)」 ーーーあと、アクションシーンもお見事です。最初の戦闘で、相手のパンチを避けて、体当たりするシーンは本当に無駄のない動きでした。 「アクションシーンを指導されている方の方針だと思うのですが、トラは殴りかかりはするけど、その場を動かないんですね。攻撃を受けようと思ってないので、そのうち相手がヘタッとなってしまうという。 あの辺の間合いなどの実践的な動きは、加害者と向き合っている時は必要最小限の動きなんですけど、相手が倒れた後に蹴っ飛ばすところがオーバーアクションになってて、そこのメリハリがしっかりしていると思います。 リアルでもあるし、 すごくよく計算されている」 ーーー開成奈々子役の南沙良さんについてもお聞きしたいです。 「トラと同じようなになってしまうんですけども。見た目が本当にそのままですよね。本当びっくりするぐらいにそっくりだったので。ちょっとアヒル口に描いていたのですが、そこの部分も再現されていると言うか。髪型も、もう本当に完全に」 ーーー服装も奈々子っぽいですよね。 「厳密に言うとカモとトラは、漫画の中にあわせてもらった衣装なんですけど、奈々子に関しては割とオリジナルというか、 原作を元に、『こんな服装だな』ということを、スタイリストの方がキャラクターを正確に把握してくれてるなと思いました」