「自分のやりたいことを詰め込んだ」ドラマ『外道の歌』原作者・渡邊ダイスケ先生、単独インタビュー。本作への思いを語る
少年画報社『ヤングキング』で連載していた漫画『善悪の屑』(2014~2016)。その第2部として連載された『外道の歌』(2016~2023)が、動画配信サービス「DMM TV」にて実写化された。今回は、原作者である渡邊ダイスケ先生にインタビューを敢行。本作へ込めた思いについてお聞きした。(取材・文:ZAKKY) 【写真】窪塚洋介×亀梨和也がかっこいい…貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『外道の歌』劇中カット一覧
原作への忠実さとオリジナル要素の絶妙なバランス
ーーーまずは、『外道の歌』の実写版ドラマ配信、おめでとうございます! 本ドラマの企画が始まったのは、いつごろからだったのでしょうか? 「ありがとうございます。企画が来たのはもう、だいぶ前ですね。1番最初に企画書を見せてもらったのが、3年くらい前です。そこから脚本を書いていただいたのも、1年半ぐらいかかっています」 ーーー実写化を快諾した、決め手は何だったのでしょうか? 「割と結構連載中から、いろんな制作会社から企画書はいただいていたんですけど、DMMさんの企画書は、内容がしっかりしてたんです。監督候補や、俳優さんの候補も、もうこの時点で決まっていまして。何ページにも渡って、ちゃんと先々のこともしっかり書いてあり、すごく熱量を感じました」 ーーー原作とは別ものとして、任せるという感じだったのですか? 「ストーリーに関しては、そうですね。オリジナル要素を入れていただいても全然大丈夫でした。キャラクターの性格や、キャラクター同士の関係性などを改変せずに、そのままであれば。設定は人間関係に関わってくるので、基本的には原作にできるだけ忠実にやっていただければと思っていました」 ーーー第1話を拝見して、原作の要素とオリジナル要素の組み合わせ方がすごくうまいなと思いました。 「脚本を見た時に、わかりづらかった部分や、文字情報だけだと、伝わらなかった部分も、映像とか音楽があると、違いますね。あとは何より俳優さんの演技が加わると、もう全然別物です」
打ち切りからの再起、『外道の歌』が生まれるまでの背景
ーーーそもそも、なぜこのような作品を描こうと思ったのかお聞きできますか? 「最初は、ヤングマガジンで別の漫画を連載していたのですが、2巻で打ち切りになってしまいまして。1回打ち切りになると、編集会議のハードルが上がっちゃうんですよ。それで、新しいネームを描いてきてと言われて。それで、編集さんとは話し合いはせずに、自分で勝手に作ったんです。それが、復讐ものの作品だったんですね。 あとは、ニュースで凶悪事件の報道を見て、 犯人が捕まったけど、裁判が長期化しているなど、そういうことにすごく憤りを感じたことが動機としてありますね」 ーーーそのような経緯が。 「それで、描いたら、編集者から『こんな残酷なのは載せられません』って言われまして。でも、もうその時には他所に持っていこうかなと思っていたんです。早く仕事しなければいけないなっていうこともあって。 それで、『ヤングキング』(少年画報社)さんに持っていったという感じですね。でも、最初は、1巻で終わると思っていたので、打ち合わせもせずに、思いっきり自分のやりたいことをやってみたいなと思いまして。もう本当、思い出作りの感覚で」 ーーーそれが、長期連載で映像化されるまでの作品に! 当時の自分では、想像もできなかったことですよね。 「はい。1巻で終わると思っていたので、次の作品も考えていたんですよ。 当時流行っていた某漫画のパクリみたいな(笑)もうそっちの方に全力投球していたので、もし、当時の自分に会うことがあったら、言いたいです。『やめとけ』と(笑)」 ーーーアハハ! そのとおりだと思います。 「第1部の『善悪の屑』1巻にかなり大きい重版がかかったんですよ。すぐに連載再開したいとのことで、担当編集さんから慌てて電話かかってきました。 で、そこから2巻の話を考えなきゃいけなかったんで、原稿を描くまでが、2か月後ぐらいになってしまったんです」