中国、製造業景況感が2カ月連続で節目上回る 11月50・3 トランプ政権前に景気対策に期待
【北京=三塚聖平】中国国家統計局は30日、景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)が11月は50・3だったと発表した。10月から0・2ポイント上昇し、好不況を判断する節目である「50」を2カ月連続で上回った。 12月には中国共産党と政府が25年の経済政策の基本方針を決める中央経済工作会議が開かれる。来年1月のトランプ次期米大統領の就任で中国経済に下押し圧力がかかることが見込まれる中、同会議で景気下支えに関する対応策が強化されるとの期待が市場関係者の間で高まっている。 PMIは50を上回れば経済活動の拡大を、下回れば縮小を意味する。柱となる生産の指数は52・4で、10月から0・4ポイント上昇して3カ月連続で節目を上回った。自動車などの業種で好調が続いている。新規受注は50・8で、10月から0・8ポイント上昇した。 中国共産党・政府は9月下旬以降、大規模な金融緩和など景気対策を打ち出している。製造業の景況感改善はこうした動きを反映しているとみられるが、内需の改善を伴う本格的な景気回復にまでつながるか注視される。一方で、輸出向けの新規受注は48・1で7カ月連続で節目を下回っている。 統計局が同時に発表した11月の非製造業の景況感を示す指数は50・0で、10月から0・2ポイント低下した。卸売りや小売り、宿泊、飲食などの業種が不調だったという。消費低迷が続いていることがうかがわれる。