【シャティン競馬場・コース解説】「雨予報」の影響は? 枠順の有利不利が激しい「QEⅡ世C」と「スプリント」
香港チャンピオンズデーが行われる、シャティン競馬場の芝コースは右回りの楕円形。1周は1899メートルで、最後の直線は430メートルとなっている。1コーナーから2コーナーにかけてがやや上りで、3角から4角にかけてがやや下り。ただし、高低差は2~3メートルほど。世界的に見れば平坦の部類に入る。 今年はレース当日まで雨続きの予報で、当日の馬場状態が気にはなるが、馬場はしっかりと整地されており、水はけも非常にいいことから、基本的にはスピード能力が重要な舞台となっている。 1600メートルの重賞クラスにおける標準タイムは1分33秒80で、これは香港との計時方法の違いを考慮すると、JRAにおける1分32秒6~8程度のイメージになる。 チャンピオンズデーのGⅠ3レースのうち、最もトリッキーなのはクイーンエリザベスⅡ世Cが行われる2000メートル。発走後200メートル足らずで最初のコーナーに入る設定で外枠は基本的には不利。2021/22年シーズンからこれまで芝2000メートル(Aコース)で行われた21レースのデータを見ても、1~4番ゲートまでの3着内率がそれぞれ24、33、38、52%であるのに対して、外の11~14番は13、14、8、25%とかなり落ちる。 またチェアマンズスプリントプライズの1200メートルも最初のコーナーまでが300メートルほどということもあるのか、2000メートルほどではないものの外枠は劣勢。91レース分の同データでは1~4番ゲートまでの3着内率がそれぞれ33、33、23、25%であるのに対して、外の11~14番は17、16、10、16%となっている。 一方、チャンピオンズマイルの1600メートルは最初のコーナーに入るまでに700メートルほどの距離があることから枠順の影響は軽微。35レース分の同データ(1~4番ゲートまでの3着内率がそれぞれ14、29、26、24%であるのに対して、外の11~14番は15、26、29、20%と大差なし)もそれを示すものだ。
東スポ競馬編集部