「生成AI」の熾烈な開発競争で日本株が"沸騰"した背景
四季報オンライン
34年ぶりに最高値を更新した日経平均株価。その牽引役となったのが半導体関連銘柄だった。「日本の半導体産業は凋落した」といわれて久しいが、なぜ相場上昇を主導したのか。時価総額の大きい銘柄も多いが、成長セクターと見なされ、アメリカの金利にも敏感に反応する。半導体について「なんとなく興味はあるが、よくわからない」という方も多いのではないか。「半導体再入門」と題して、初歩的な半導体に関する解説をお送りする。日本時間2月22日早朝、ある1社の決算発表に世界中から並々ならぬ関心が集まった。その企業とは、アメリカの半導体メーカー・エヌビディア(NVDA)だ。市場の期待を一身に浴びたその前2024年1月期決算は、売上高609億ドル(前々期比約2.2倍)、純利益297億ドル(同約6.8倍)と強烈な数字をたたき出した。 なぜエヌビディア1社の決算がこれほどまでに注目されたのか。アメリカ・オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」が火をつけた、「生成AIブーム」の恩恵を最も大きく受ける銘柄の1つだからだ。 エヌビディアの決算は、今後も半導体銘柄の「AIフィーバー」が続くかどうかの分水嶺と見られていた。株式市場にとって、同社の大幅な増収増益はもはや当たり前。焦点は「市場予想をどれだけ超えられるか」だった。 市場予想を下回れば株式市場全体に冷や水を浴びせかねない状況だったが、2023年11月~2024年1月の売上高は221億ドルで着地。2024年2~4月は240億ドルを見込むと発表した。それぞれ市場予想を大幅に上回る数字となり、その日に日経平均株価が34年ぶり高値を更新する原動力となった。
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会社四季報オンライン編集部