失敗が許されない死刑執行の瞬間に起きた「ありえない事態」…死刑に参加した刑務官が告白
ミスは許されない
執行室にボタンがあり、執行の瞬間に刑務官が押す――単純な作業だが、そのプレッシャーは計り知れない。M刑務官は続ける。 「ボタンを押すのは人間だからやはりミスはありえる。そんな不慮の事態に備え、刑場には“レバー”が用意されています。たとえば一斉にボタンを押すはずが誤って押されなかった場合、当然床は開かず執行が出来なくなってしまう。そんな事態に陥った際に、あくまで『緊急対応用』として床を抜くことができるレバーが設備として備え付けられているんです」 実際に使用されたことはあるのだろうか。 「無い!と言いたいですが、死刑執行という特殊な空間でヒューマンエラーは高い確率で起こりうる。実際過去に1度だけ使用されたこともあったといいます。失敗が許されない死刑が故の特殊設備といえます」
執行までの長い生活
裁判を終え、死刑が確定した死刑囚は執行の日まで拘置所での生活を送ることになる。とは言えすぐに死刑が執行されるわけではなく、ここから執行までの長い生活が始まる。 「死刑確定後、その暮らしに必須なアイテムとなる『所内生活のしおり(死刑確定者用)』が手渡されます。そこには朝から夜までの一連の流れなど、拘置所内の生活について詳細に書かれている。死刑囚はこのしおりをもとに生活を送ることになります」(M刑務官) そのしおりに記されているのはどのようなことなのだろうか――。 記事後編【死刑に参加した刑務官が明かす…死刑囚が死刑確定後に手渡される「しおり」の衝撃内容】に続きます。
+オンライン編集部