【図鑑NEO編集者に聞く】知られざる「図鑑の豆知識」7選!1冊作るのに何年かかる?夏の自由研究の参考にも
さまざまなテーマから科学や社会への興味の扉を開く、小学館の図鑑NEOシリーズ。 図鑑の中には、自由研究のヒントも随所に散りばめられています。親子で図鑑に触れる機会が増える夏休みシーズンということで、今回は、図鑑編集者に“図鑑の豆知識”についてのインタビューを実施。 【写真5枚】図鑑NEO『メダカ・金魚・熱帯魚』の編集を担当した草柳佳昭さん。誌面の一部も写真で見る お話をうかがったのは、新刊『メダカ・金魚・熱帯魚』の編集を担当した草柳佳昭さんです。図鑑NEOシリーズの豆知識や、新刊制作のエピソードについても質問してみました!
ズバリ、図鑑NEOシリーズの売れ筋は…
◾️Q1:図鑑NEOは、動物、音楽、危険生物、人間……など、いろんなタイトルがありますが、ズバリ、シリーズで一番人気があるのは? 草柳さん:図鑑NEOの一番人気は『新版 恐竜』です。先日、累計100万部を突破しました! ◾️Q2:子どもの年齢によって人気の図鑑は違う? 草柳さん:年齢層によって人気のジャンルは異なります。たとえば、園児~低学年の子には、『恐竜』や『昆虫』『乗りもの』など、見ためにも分かりやすいものが人気です。 一方、歴史や地理、地球のことなど、そのものから想像を広げていくような『岩石・鉱物・化石』『音楽』といった図鑑は小学校の中~高学年などの大きなお子さんに人気があります。
教えて!図鑑制作の豆知識
◾️Q3:1冊の図鑑は、何年くらいかけて作っているの? 草柳さん:図鑑によってさまざまですが、平均して2~3年くらいだと思います。 野生の生き物を撮り下ろす図鑑だともっとかかることもあります。たとえば繁殖のシーズンに写真を撮りのがしたら、また来年……ということにもなってしまいます。 私が担当した最新刊の図鑑NEO『メダカ・金魚・熱帯魚』は、企画から1年半ほどで完成しました。野生の生物とちがって、水族館や鑑賞魚店にご協力いただいて、一度にたくさんの種類を撮ることができたので、比較的短い期間でつくることができました。
最新刊『メダカ・金魚・熱帯魚』の印象的なエピソード
◾️Q4:『メダカ・金魚・熱帯魚』を企画した背景は? 草柳さん:魚をテーマとした図鑑NEOには『魚』『水の生物』『深海生物』などがありましたが、これまで観賞魚を掘り下げた図鑑はありませんでした。児童向けに身近な観賞魚の図鑑があってもいいのではないかと思い、企画しました。個人的にも魚は得意分野だったので、担当することになりました。 ◾️Q5:最新刊『メダカ・金魚・熱帯魚』の図鑑作りで大変だったのは? 草柳さん:図鑑に使用している写真の多くは、この図鑑のためにプロのカメラマンが撮り下ろしたものです。魚の姿や質感が伝わるように、制作チームに背景の色使いやレイアウトを工夫してもらいました。ヒレの透けた感じやうろこの輝きも伝わるといいな、と思います。 ◾️Q6:図鑑作り中の印象的なエピソードは? 草柳さん:基本的に図鑑の写真は、プロのカメラマンさんが撮るのですが、メダカや熱帯魚の産卵・成長は自分で撮影したものもあります。魚が生まれて成長していくところは1日では撮れないので、自宅でメダカを飼って、一連の流れを撮影しました。 朝起きて「あっ、産卵してる!」と気づいたら、在宅勤務に切り替えて撮影態勢に入る、なんてこともありました(笑)。 ◾️Q7:図鑑作りで心がけたことは? 草柳さん:図鑑NEOシリーズは一流の研究者に監修いただき、自然科学の入り口となる図鑑でもあります。ただの観賞魚カタログ、飼育マニュアル本にならないよう、学びにつながる内容をできるだけ入れるように心がけました。 また、中学受験に頻出する問題や、自由研究の研究テーマの“材料”になるような情報も散りばめてあります。