米加太平洋岸に「爆弾低気圧」 広範囲で倒木と大規模停電
バンクーバー、カナダ、11月21日 (AP) ― ここ10年から20年で"最強"の低気圧が11月19日夜、カナダから米国の太平洋岸で急速に発達し、広い範囲で樹木が根こそぎ倒され、国境を跨いだ米加両国で大規模停電が発生した。 気象予測センターは19日から21日まで、カリフォルニア州からカナダ太平洋沿岸地区まで「大気の川」が発生し、大量の雨を降らせる可能性があると見込んでいる。 これは、サイクロンが急速に発達したときにみられる気象現象で、「爆弾低気圧」または「爆弾サイクロン」と呼ばれている。 大雨が予測されるのは、米国側ではオレゴン州ポートランドの南から、カリフォルニア州サンフランシスコの北まで。 オレゴン州では、ハリケーン並みの風速33.5メートルの暴風になる可能性があり、ワシントン州シアトル近郊では"山岳波"が発生し、広範囲に停電や倒木を引き起こす可能性がある低高度の突風が吹くと予想される。 シアトルの国立気象局によると、マウント・レーニエに近いクリスタル・マウンテンでは、最大風速30.3メートルを記録。また、シアトル北西にある長さ4.8キロの砂嘴エディズ・フックでも風速23.6メートルの暴風が吹き荒れた。 カリフォルニア北部では洪水警報と強風警報が発令され、サンフランシスコ湾岸地域、ノースコースト、サクラメントバレーでは最大200ミリの降雨が予想されている。 爆弾低気圧は、熱帯と極地の間に位置する低気圧が急速に強まる際に発生する。 寒気団が暖気団と衝突することで発生する可能性があり、これは海域で起こりうるという。 爆弾低気圧は、北西太平洋や北大西洋を含む世界中の海で発生する可能性がある。 (日本語翻訳・編集 アフロ)