資さんうどん通が「うどんの前」に真っ先に食べるメニューとは?
● 資さんうどんの買収は すかいらーくにとって有利な成長戦略 さて、このように資さんうどんを分析すると、必要条件としては資さんうどんが全国展開するという条件は満たしていると断言できます。問題は、十分条件でしょう。 なぜこれまで資さんうどんが北九州中心に西日本ローカルにとどまっていたのかというと、全国展開するためには資金力、人材、知名度など様々な面で経営資源が不足するからです。 それをすかいらーくがどう補えるかを考えると、この勝負はなかなかにすかいらーくにとって有利な成長戦略であることに気づかされます。 そもそもロードサイドで駐車場つきの大箱という店舗スタイルは、すかいらーくのブランドと類似しています。ですから店舗開発も社内の同じ部隊で展開できますし、全国3000店舗あるすかいらーくグループの既存店からの業態転換にも適応しやすいという利点があります。 さらに全国の各エリアですかいらーくグループの知名度も高いうえに、従業員の採用力もあります。ですから八千代店や両国店を開店して、これはいけるということになれば、そこからの全国展開は早いのです。
● 関東で失敗しても すかいらーくは損をしない さて、仮説として私は資さんうどんは関東や東北などかなり広範囲な東日本でも受け入れられると信じていますが、もし実際にやってみたけれどもダメだった場合はどうでしょうか? そもそも北九州を中心とした既存店エリアでは強い飲食店ブランドですから、既存エリアだけで成長できなくても業態としての採算は合うわけです。実際は東日本をあきらめた場合でも、西日本エリアですかいらーくの総合力を活用した店舗展開をすれば今よりも店舗数を増やすことは当然できます。 ですからこの勝負、先述したように成長戦略として考えるとすかいらーくには負け筋がない戦いになるというわけです。 さて、楽しみなのは来年1月の両国店開店です。都内からならば電車を乗り継いですぐに行ける場所です。 この記事に懐疑的な皆さんから、この記事でなんとなく肉ごぼ天うどんを食べてみたくなった皆さんまで、ぜひ一度、そのポテンシャルを確かめに行かれてはどうでしょうか?
鈴木貴博