「1974年の池袋」で開催されていた伝説のフォークコンサートがついに復活…50年ぶりに「込めた思い」
1974年のコンサートを50年後に同じメンバーで
関:去年(2023年)の7月に中山ラビさんの追悼コンサートへ出掛けたんです。僕は演劇の世界に戻ったり、美術のほうへ行ったりで音楽とは離れていましたから、昔、シアターグリーンで歌ってくれた人たちがお元気に活動されているということも全然知らなかったわけです。そのコンサートに行くことになったのは、今回の『HOBO’S CONCERTS 2024』でも司会をしてくれるフラワー・メグが出演していたからで、その彼女と少し前、50年ぶりに再会したということもあった。そんなことで啓示と言うと大袈裟ですが、50年ぶりのいろんな縁が蘇って、「もしかして、(コンサートを)やれってこと?」と思ったんです。でも、どうやっていいかまったくわからないので、その時に出演されていた中川五郎さんにすぐご相談の連絡をした……ということなんです。 中川:関さんとお話をしたのは実はその時が初めてでした。まさかそこで1974年のコンサートを、50年後に同じメンバーでまたやろうという話が出てくるとは思ってもみなかったんですが、でも聞いてすぐに「これは面白い」と。もちろん自分も参加したいし、当時一緒にシアターグリーンで歌っていた人たちが、いまどんな歌を歌うのだろうか。そこに興味があった。面白いけど、これは大変だなと(笑)。 関:中川さんがいなかったらここまでたどり着けませんでした。僕が書いた企画書を「ここに送ってください」といろんなところへ案内してくださって。最初の段階で中川さんに参加の連絡をしてくれた人たちがコンサートの基礎になってます。 中川:基本的には、とにかく連絡がつく範囲でミュージシャン仲間に声をかけて、「こういう企画がありますよ」と、連絡係みたいなことを僕は受け持っていました。話をすると、みんなすごく面白がってくれましたよ。もちろん当時のこともよく憶えていて、みんなにとっても記憶に残るコンサートだったんだと思います。これは……復活と言えばいいのかな? どんな言葉が一番いいかということも、参加する人が考えるわけなんですけど、僕はいわゆる同窓会的なことはイメージしていないですね。「これからみんな、どうしようか」っていうのを、お互いを見て、次に向かうところをみんなが見つけられるような、そういう機会になればいいなと思っているし、僕自身はそうしたいと思っています。 関:最初に中川さんに言ったんだけど、本当はもっとワイワイとやりたいんです。もっと言うと、誰が何日に出るかってことも決めたくなかった。1週間の開催中、毎日好きな人が来て、好きなように歌ってくれたらって。我々の時代は、決まりごとが本当に嫌いだったんです。「決まっていないことを志している人たち」というか。あくまでもこれは夢として、という話ですが、「今日は1人しかミュージシャン来てないよね、それでもいいか」というぐらいの、自由な空間になったら面白いなと思います。 コンサート詳細はこちら 【公演情報】 『HOBO’S CONCERTS 2024』 日時:2024年12月24~30日(開場/開演時間は公演日によって異なります) 会場:シアターグリーン(池袋) あがた森魚 | 朝野由彦 with 前田直人・犬塚健二・永田隆志 | アーリータイム・ストリング・バンド(村上律・今井忍・竹田裕美子・松田幸一) | いとうたかお | Inoue Ohana Band(井上憲一 ・キャシー井上 ・井ノ浦英雄・佐藤克彦 ・クーポ ・ゲスト:SANDII ) | 大塚まさじ | 長田Taco和承 | かしわ哲 with サルサガムテープSP | 金森幸介 | カルメン・マキ with 丹波博幸・清水一登 | 小室等、こむろゆい、河野“菌ちゃん”俊二 | gnkosai BAND(gnkosai・足立 PANIC 壮一郎・オカザキエミ) | GreenOnions(久保田さちお・貫田弦邑・リッツ・未麗・折井隆彦・木村シンペイ) | 佐藤GWAN博 | センチメンタル・シティ・ロマンス(細井豊・野口明彦・種田博之 with 湯川トーベン・柳沢二三男) | シバ | タイロン橋本 | 豊田勇造 | 中川五郎 |ザ・ナスポンズ(松浦湊・小滝みつる・上原 'YUKARI' 裕・新井健太・春日 'hachi' 博文 ) | BUZZ NEXT(東郷昌和、百田忠正 with 平野融)|林亭(佐久間順平・大江田信) | ながいよう | 村松邦男 | 森野川バンド(佐野史郎・湯川トーベン・森信行)
真鍋 新一(映画評論家)