イラン、シリア新指導部と接触か 政権崩壊受け影響力維持模索
Parisa Hafezi [ドバイ 9日 ロイター] - イランのある高官は9日、シリアのアサド大統領が追放されて以来、イランはシリア新指導部の反体制派と直接接触していると、ロイターに対して明らかにした。両国関係が敵対化することを避けるためだという。 アサド政権の崩壊によって、イランとロシアがこれまでアラブ世界に影響力を行使していた「とりで」が拭い去られた形となった。シリアの政変が、地域的影響力の要であるシリアにおけるイランの影響力にどのような影響を及ぼすのか、イラン当局は懸念を深めているもようだ。 ただ、イラン高官によると、イランは「シリアの新支配グループの中でイラン寄りの人々」と接触する外交的手段を模索。「イランにとっての最大の懸念は、アサド氏の後継者がシリアをイランから遠ざけるかどうかであり、それはイランにとって避けたいシナリオだ」という。 高官は、シリアという重要な同盟国を失い、来年1月にトランプ次期米大統領の就任に直面しているイランの支配層はシリアの新たな指導者との関与に前向きと分析。「こうした関与は、関係を安定させ、さらなる地域的緊張を避けるための鍵となる」と語った。既にシリア新指導部内の2つのグループと接触したという。