12年熟成へと一新した「グレンモーレンジィ オリジナル」、従来の10年物と新しい12年物を飲み比べ
一方の「グレンモーレンジィ オリジナル 12年」は10年と比べて色が濃く、琥珀色になっています。香りは、やはりオレンジピールが真ん中にあるのですが、バニラやピーチもしっかりと感じます。当たり前とはいえ、明らかに10年よりも長く熟成していることがわかります。 一口飲んだだけで、失礼ながら10年よりも段違いに美味しく、笑みがこぼれます。クリーミーなのはその通りだとしても、ハチミツやバターの感じが強くなり、複雑さが増しています。 樽の使い方は同じとのことなので、単に熟成期間を2年間延ばすだけでこうなるとは驚きです。コスパも念頭に置きつつ、12年をチョイスしたラムズデン博士の慧眼には恐れ入ります。 ハイボールであれば幅広い料理に合うと思います。フルーティなので海鮮にいいと感じますが、パスタ系に合わせてみたいですね。ストレートであれば、デザートが合います。バニラアイスはもちろん、カカオ比率の高いチョコレートにもぴったりです。オイルサーディンといったおつまみにも合うでしょう。
ウイスキーはリニューアルしたからといって美味しくなるとは限らず、近年は味が落ちたと言われるブランドもあります。しかし、「グレンモーレンジィ オリジナル 12年」は文句なしに、明らかに美味しくなっています。わずかに価格は上がっていますが、昨今の状況からすると気にならないレベルです。ウイスキー好きとしては、もろ手を挙げて歓迎したいところです。 以前に「グレンモーレンジィ オリジナル」を飲んだことがあって、気に入った人も、合わないと感じた人も、ぜひ「グレンモーレンジィ オリジナル 12年」を飲んでみてください。また、今後飲めなくなる「グレンモーレンジィ オリジナル 10年」も自分のために確保してみてはいかがでしょうか。
撮影協力 BAR 原価割れ 池袋 (https://genkaware.foodre.jp/) ■ 柳谷智宣 やなぎや とものり 1972年12月生まれ。1998年からITライターとして活動しており、ガジェットからエンタープライズ向けのプロダクトまで幅広い領域で執筆する。近年は、メタバース、AI領域を追いかけていたが、2022年末からは生成AIに夢中になっている。 他に、2018年からNPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立し、ネット詐欺の被害をなくすために活動中。また、お酒が趣味で2012年に原価BARを共同創業。
柳谷智宣