<衆議院選>生活の党・小沢一郎代表の第一声【全文書き起こし】
しかし田中先生の、今、紹介した言葉にあるとおり、自分たちの心のふるさと、よって立つ地域のことを決して忘れなかった。だから、かつての自民党は地方のことばっかり甘やかす。農業のことばっかり過保護にする。いろんな批判を浴びましたけれども、ずっと全国どんな山村に住んでいても、どんな離島に住んでいても、みんなが安定して生活できる。そういう国土を、日本をつくらなきゃいけない。その思いをずっと田中先生ばかりでなくて、自民党の政治家は持ち続けてきたんです。 ところが今、どうですか。今の政治家はどうですか。これは小泉さん以来であるんですけども、安倍政権になりましてより強くなった。要するに自由競争、市場原理。自由競争で勝ったものが生き残ればいいんだ。競争力のある力の強い企業をどんどんどんどん大きくする。そして、その企業がもうけたお金を国民に全部分配すればみんなも良くなるじゃないか。こういう話です。小泉さんもそうだった。だが皆さん、今回、為替が安くなって、円が安くなって、輸出を中心とした大企業は史上空前のもうけを出しております。利益を出している。その利益を出した金がみんなに回りましたか。全然みんなには回らずに、企業の懐にたまっているだけじゃないですか。そうでしょう。こういうのが政治だとしたら、それはもう政治は要らない。自由競争を放りっぱなしにして、強いものが勝ちさえすればいいんだっつうんだったら、まさに弱肉強食の世界じゃないですか。
私は今の安部さんの政治を、個別にどこがいいとか、悪いとかなんとかっていうことを言ってんではなくて、こういう基本的な考え方で政治を行っている。それが根本的な間違いだということを皆さんに分かってもらいたいんであります。この3~4日、党首がなんか8人も9人も顔を合わせてテレビだのなんだのやりました。その中でも誰も農村のことを、農業のことを、地域のことを、ほとんど触れる人は誰もいない。私はそういう意味で、こんな政治を続けていたら、本当に国が結果として滅びてしまう。本当に心配いたしております。 大企業の、経団連のお偉いさんともたまに会うんです。あんた方、目先はそうやってお金もうけて、そして労働者も正規雇用しない。全部非正規雇用で都合悪いときは首を切れる。給料も安くて済む。そういう思いでやっているかもしれないけれども、しかし、国民が疲弊してしまったら、結局はあんた方にそのつけも回るんだよ。天につばする話だと。今景気良くするんだ、景気良くするんだって、安倍さんやなんかみんな一生懸命言っているでしょう。日本の経済の6割以上は個人消費なんです。個々の皆さんが使うお金、それが日本の総生産の6割以上を占めているんです。アメリカでは7割以上。 ですから、大企業がいくらもうかったからって、個人個人の皆さんの収入が増え、生活が安定しなきゃ、消費に回さずに財布のひもを締めんのは当たり前でしょう。将来どうなるか分かんないのに。収入も減ってきている。結局、個人消費は増えない。落ち込んでいる。だから景気は良くなっていないんです。ですから、景気が良くなったら消費税延期なんかしませんよ。景気が悪い。自分の政治の実態が見えちゃう。その前に総選挙をして、まずもう一度、政権を続けたい。それが今回の選挙であります。