民事再生のスカイマーク、ボーイング737に機体を統一 ── エアバスA330型機は運航停止に
しかし、ボーイング737-800型機の2倍とされる運航コストに対して想定したほど搭乗率は伸びず、さらに導入当初には想定されていなかった円安によるドル建てのリース費用も嵩み、経営を圧迫する要因となりました。また、エアバス機を初めて導入する場合はパイロットや整備員らの機種転換訓練コストもかかります。その結果、スカイマークは2014年9月の中間決済で、A330型機の機材購入費や訓練費、整備部品費のなどの増加が一因となって赤字へ転落しています。 その後もA330型機を2015年夏ダイヤから沖縄線へ導入する意欲を見せていたものの、2015年1月28日にスカイマークは民事再生法の適用を申請して経営破綻します。1月29日に行われた同社の記者会見では、コスト削減のためにボーイング737-800型機への機種統一を行い、A330型機は2月1日から運航を停止することを発表しました。 会見の中で井手隆司会長はA330型機について「即時に運航停止しないと会社が持たない」こと強調しており、同機がコスト増に苦しむ経営側と人員不足の現場側の両サイドから負荷となっている実態を明らかにしています。 運航停止後のA330型機の処遇について、記者会見で井手会長はサブリース(又貸し)をA330型機を運航する航空会社へアプローチしている状況と説明しています。また、A330型機に携わっていたパイロットや整備員はボーイング737型機への復帰訓練を行うとしています。