民事再生のスカイマーク、ボーイング737に機体を統一 ── エアバスA330型機は運航停止に
民事再生法を申請したスカイマークは、昨年6月から運航を開始した中型機のエアバスA330-300型機を1月31日をもって運行停止にしました。今後はコスト削減のために使用機材を小型のボーイング737-800型機に統一します。スカイマークのA330とはどんな機体だったのでしょうか?
エアバスA330-300型機は航続距離11,300kmの双発エンジンを搭載した、2本の通路を持つワイドボディー機旅客機です。全長63.69mの機体に標準的な2クラス仕様で300席、最大で440席を搭載できます。2014年末で全世界で564機が運航されており、日本の航空会社ではスカイマークのみ導入しています。 スカイマークのエアバスA330-300型機は全10機が米国の航空機リース会社のイントレピッド・アビエーションを通してリース契約で導入されており、現在6機が受領済みとなっています。座席数は271席で、同社の主力小型機のボーイング737-800型機の177席より94席増加しています。機内は全席プレミアムエコノミー座席と同等の「グリーンシート」を2-3-2配列で配置しており、シート幅は49cm、間隔は96.5cmと余裕を持った座席設定が特徴でした。また、全席にパソコン用電源を備えていた他、8月には無料Wi-Fiスポットを搭載した機材も登場しています。 A330型機の就航にあたっては、期間限定で乗務する客室乗務員がミニスカートの制服を着用するキャンペーンを展開したことが物議を醸しました。また、運行開始にあたって国土交通省との手続き上の遅れや訓練時間の確保のために3度に渡る就航延期を繰り返し、最終的に就航が当初の予定から約3ヶ月ほど遅れるなど、前途多難な幕開けとなりました。 大手2社との競争やLCCの参入ラッシュに対して、価格以外のサービス品質で競争するための戦略機材としての位置付けられたA330型機は、2014年6月14日よりドル箱路線の羽田~福岡線へと投入され、同年8月より羽田~札幌線にも導入されました。