交代策が的中 米子北が国見に逆転勝利で8強へ
交代策が見事にハマった米子北が2大会ぶりとなるベスト8進出を決めた。 7月30日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の3回戦が福島県のJヴィレッジで行われ、米子北は昨年度にベスト4まで勝ち上がった国見と対戦。昨夏もレギュラーとしてプレーしていたFW西山蒔人(3年)、FW門崎健一(3年)らを擁する難敵に対し、米子北は序盤から主導権を握られてしまう。 【フォトギャラリー】米子北 vs 国見 ボールを支配され、最終ラインが後退。「ラインが低かった。樋渡(蓮音/3年)も柴野(惺/3年)も下がってしまって…。やっぱり、相手の10番・西山のポストプレーだったり、サイド攻撃を意識し過ぎて最終ラインの4人やボランチが引いてしまって、相手を自由にさせた」と中村真吾監督が振り返った通り、消極的な姿勢が目立ってリズムを掴めなかった。15分にはセンターライン付近でルーズボールを拾われ、ゴールまで40mあたりの場所からMF山口大輝(3年)にロングシュートを決められてしまう。 先日のパリ五輪・ブラジル戦で女子日本代表の谷川萌々子が決めた一撃を彷彿させる技あり弾でリードを許すと、以降も自陣で跳ね返す場面が続く。劣勢を変えるべく、中村監督はハーフタイムにFW熊谷弾(3年)を投入。小柄ながらボールキープに長けるアタッカーを最前線に送り込み、流れを引き寄せにかかった。すると、高い位置でパスが収まるようになり、押し込む時間帯が増加。後半6分には樋渡が右サイドからFKを入れると、主将のFW鈴木颯人(3年)が折り返す。最後は熊谷が押し込んで同点に追い付いた。 これで完全に息を吹き返すと、ロングボールや縦に速い仕掛けを主体に攻撃を展開。13分にはMF山下一圭の右CKに柴野が頭で合わせ、逆転に成功した。 以降は相手に押し込まれる時間帯もあったが、タフな守りで最小失点に留めた米子北が3回戦を突破。4強に進出した2022年度大会以来となるベスト8進出を決めた。 (文・写真=松尾祐希)